ゲンジ物語0530(皐月の終わり)
そもそも私はインスタの、
アプリを落としていないので、
お店のお知らせは見られないんですよと言うとその人は、
今どきそんな人がいるんだと驚いていた。
どうやって情報を入手しているの?
それでやっていけてるの?と。
そういえば結婚する前、
今から15年ほど昔のことを思い出す。
当時教えていた生徒の一人が「探偵ナイトスクープ」という番組に、
「塾の先生は独身で一人暮らしをしているのですが、テレビが無いらしいです。本当かどうか調査してください」
というハガキを送ったという。
番組から塾に電話があった。
「つねた先生の家は、本当にテレビが無いのですか?塾終わりに、探偵とその生徒が一緒に、先生の帰宅を尾行する、という流れでいきたいのですが」
テレビが無いって、そんなに珍しいですかね?
ディレクターさんに聞くと、
少なくとも私の周りにはいませんね、ですって。
そりゃそうだろう、そういう業界なんだから。
生徒の家のことや、社長の意向や、なんやかんやいろいろあって、
結局、テレビには出なかったけれど、
テレビが無いことよりも、
ひと月の電気代が900円台だったことの方を驚いてほしかったなと、その時は感じていた。
その後、結婚するときに、
車の免許を持っていないことを義父に驚かれたり、
腕時計を一つも持っていないことを上司にたしなめられたり。
こういうとき、
別にこだわってそうしていた訳ではなく、なんとなくそんな感じに生きていただけなのだから、
あいまいに「ええ」とか、「まあ」とか、
照れ笑いするしかない。
それで、
ちょっとハデな幼虫が出ますので、
覚悟してくださいね。

一目惚れして連れ帰りました。
この子はサルトリイバラっていう植物を食べるんで、毎日、この場所にサルトリイバラを取りに通ったんです。





テレビは、
見ないから買わなかったんだよ。
免許は、
酒飲むから取らなかったんだよ。
腕時計は、
かゆくなるからいやだったんだよ。
家族が見るから、今はテレビあるし、
結婚の条件だったから、車の免許取ったし、
忙しくなったから、G-SHOCK買ったよ。
インスタしていなくたって、
生きていけるよ、困らないよ。
何なら、スマホも捨てたいよ。
なんか、
サナギから羽化するチョウを見ていたら、
ぶるぶるぶるぶる、
いろいろ脱ぎ捨てたくなった。
それから、
空も飛べるはずって、スピッツの歌を歌いながら、仕事に向かいました。


