血が
それは
何処から流れていたものだったろうか。
思えば本当は錆かも知れないし燃えている太陽の欠片だったかも知れない。
赤が刃にべっとりと着いて居る。
そう思った私は家を出る。
胃袋からはもう何も出なかった。
ただゆらゆらと生きていただけだったから。
飯を食う事にも疲れて、吐き出す事にも疲れて私は、
赤い星を観に出掛けたのだ。
ああでも赤い星っていうのは中々、見つける事は難しいな。
さっきから、過ぎ去ってゆく星は全て白色だし。
それにしても低い場所にある。あ、となるとそれは、星ではないのか。
目玉か。
いや、街灯にも見える。
私は、
誰かを騙してしか生きて来なかったのか。
お前も。自分自身もそうだ。
本当は、生きてなんて居なかった。
それをよくもまあいけしゃあしゃあと、なだらかに時に烈しく、
泳いでいようと思って居たものだな。
赤い星を観る事は、私には出来っこない夢の話なのだから。
そうだな、あの娘やあの娘はきっと観たんだろうな。
美しかっただろう。
醜くて情けない肌だ。
ここから流れ出た血が刃に着いて居たのか。
愚かだ。
そして、不愉快だ。
あの白い光はやはり星では無い。
しかし目玉でも街灯でも無い様だ。
あの娘は何処に居るんだ?
私は、不愉快にもここに居た。
早く切り刻んで、あの赤い星にして貰いたいんだ。
どうして泣くんだ。
