#46 週末農業、井戸を掘りはじめる。 水脈開通への挑戦(第1回)

週末の農作業を始めて、気づけば9年目。 無肥料・無農薬、さらに作業は週末だけ。

かける労力のわりに野菜の収量は少ないな……と感じつつも、それ以上にここでしかできない貴重な経験にたくさん出会えています。

何より、自分や家族が食べるものを仲間とともに自分の手で栽培していること自体が、私にとって最大の財産です。それと同時に、「完全な自給自足がいかに難しいか」「1人で黙々と農作業をするのは、なかなかに孤独でつらいものだ」という現実も痛感してきました。

ただ、この9年で変わったこともあります。 以前は何かを始める前に「できるか、できないか」を頭でっかちに考える癖がありました。でも今は、

「まずはやってみよう。失敗したら、その時に改善策を考えればいい」

自然とそう思えるようになり、工夫の輪が広がっています。 その「まずはやってみよう」の精神が、今回の「井戸掘り」へとつながりました。

ジブリの世界と、水のない現実

縁あって、自宅の近所にある「耕作放棄地」を開墾する活動に関わるようになりました。

そこは集落から歩いて10分ほどなのに、まるでジブリの世界に迷い込んだかのような場所。たまに携帯の電波が途切れるほどの鬱蒼とした茂みがある一方で、近くの空港に離着陸する飛行機が、かなりの低空で飛び去っていくのが見える不思議な空間です。

そんな魅力的な場所ですが、ひとつ大きな欠点がありました。

「近くに水源がない」のです。

近所で畑仕事をしている方々は、皆さんバケツで遠くから水を運んでいるようでした。しかし、育てる品種やこれから迎える夏の酷暑を考えると、バケツでの水運びには絶対に限界が来ます。

「どうする?」と仲間と話し合った結果、出た結論はシンプルでした。

「よし、井戸を掘って水源を確保しよう」

「渡りに船」のスタート

そうは言ったものの、井戸なんてそんな簡単に掘れるものなのか? 道具は何を使えばいいんだろう?

そんな不安が頭をよぎったとき、奇跡が起きました。 なんと畑仲間の1人が、自分の畑で井戸を掘るために、すでに専用の道具を持っていることが判明したのです。

まさに、渡りに船!

これでグリグリと穴を掘りました。かなり大変です。

さっそく道具をお借りして、準備は万端。「そんなに都合よくいくものかな?」と半信半疑のまま、ついに作業初日を迎えました。

まずはスコップを使い、大人がすっぽり立てるほどの穴を1メートルほど掘り下げます。そこから、借りた秘密兵器(道具)の登場です。2人で息を合わせ、穴の周りをぐるぐると回りながら、さらに深く掘り下げていきました。

すると……。

じわじわと、泥水が溜まり始めたのです!

まだ野菜に使えるような綺麗な水ではありません。それでも、地底から水が湧き出た瞬間は、何とも言えない感動がありました。子どもの頃、砂場で夢中になって泥だらけになりながら、トンネルを掘ったあのときの感覚が鮮明に蘇ります。

水が出る喜び、そして次の壁

「水が出た!」と喜んだのも束の間。ここからが本当の挑戦の始まりでした。 理想の水源にするためには、まだまだ深く掘り進める必要があります。

さらに、次から次へと検討すべき課題が頭に浮かんできます。

  • 湧き上がる水をどうやって溜めるか?

  • どうやって泥水を浄化するか?

  • 溜めた水をどうやって定期的に畑に散水するか?

でも、これも「実際に動いたからこそ気づけたこと」です。普段、近所の公園で蛇口をひねるだけで当たり前のように綺麗な水が出る、日本のインフラの凄さを改めて思い知らされました。

私たちの井戸掘り、そして水確保の挑戦はまだ始まったばかりです。

【次回予告】農業と、井戸掘りと、九星気学

実は今回の井戸掘り、単なる力仕事としての楽しさだけでなく、私の中である「学び」とも深く結びついています。それが「九星気学」の世界です。

農業は「土」を耕し、太陽の「火」を浴び、「水」を巡らせる、まさに自然の五行の循環そのもの。そして今回、自らの手で大地に穴を穿ち、眠っていた水源(水)を呼び起こす行為は、気学的な視点から見ても非常に興味深い「気の変化」をもたらす予感がしています。

果たして、無事に野菜たちへ恵みの水を届けることができるのか? そして、この井戸掘りがもたらす「土と水のエネルギー」とは?

この井戸掘りの記録は、これから少しずつ残していきたいと思います。


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