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私の好きなカバーソング(193)「Looking Up」ミシェル・ペトルチアーニ、シルヴァン・リュックとビレリ・ラグレーン、山中千尋、マーカス・ミラー、ケニー・ギャレット

フランス人ジャズピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニさん(以下ペトさん、1962-99)の代表曲で、オリジナルはアルバム「Music」(1989)収録です。
私がこの曲に辿り着いた経緯です。大学を卒業し、仕事を得て自由に使えるお金が増えると、CDを買ってジャズをよく聴くようになりました。そんな頃、自力ではピアノの椅子に座ることもできない身長1メートルほどのピアニストが東京でのライヴで力強くピアノを弾く姿が写真週刊誌に載ったのです。興味本位の記事だったと思いますがペトさんでした。
その後「スイングジャーナル」というジャズ専門誌に載った「Music」のレビューを書店で立ち読みし、すぐにCDを買いました。聴いて驚いたのはどの曲も印象的なメロディーを持ち、明るく前向きになれる曲だったことです。1曲目がこの曲で、爽快でまさに気持ちがルックアップする曲です。以後熱心にペトさんを追っかけ、過去の曲を聴きました。
家内もペトさんのファンになりました。1999年初頭に来日が予定され、札幌公演のチケット(コンサートホールの前から6列目ほぼ正面!)を2枚買って準備万端整えて楽しみに待っていたのですが・・・
1999年年明け早々に飛び込んできたのは普段なら見過ごすような小さな新聞記事、ペトさんの訃報でした。1999年1月6日、ツアー先のニューヨークで肺炎で急逝、36歳でした。
CDで聴くペトさんの演奏はいつも力強く、身体の不調を感じさせないものだっただけに、予想もしなかった悲しい結末に落胆しました。

ともにフランス人ギタリストのシルヴァン・リュック(1965-2024)さんとビレリ・ラグレーン(1966-  )さんのデュエットアルバム(1999)からです。このアルバム、名盤です。

山中千尋さんはアルバム「Prima Del Tramonto」(2019)で取り上げてます。

こちらはペトさんご本人も出演のセルフカヴァーです。ペトさんがブルーノートのあとに所属したフランスのDREYFUSレーベルのオールスターによる1994年のライヴです。上記のビレリ・ラグレーンさんも参加、マーカス・ミラーさんがベース、ケニー・ギャレットさんがアルトサックスで出演です。16分の長尺ですが聴きごたえあります。

ペトさんはこのDREYFUSに傑作をたくさん遺しました。個人的にはシャンゼリゼ劇場でのソロ・ライブ - Au Théâtre Des Champs-Elysées (1995) がとにかく素晴らしい。冒頭の40分に渡るスタンダード曲のメドレーに度肝を抜かれ、次のオリジナル「Night Sun in Blois」の美しさに息が止まります。
「情熱のピアニズム」というペトさんのドキュメンタリー映画も観ましたが、先天性骨形成不全症で幼少期から骨折を繰り返し、20歳までしか生きられないと医者に言われ、明日の保証がない日々の中、楽天的で女性にモテて3度結婚し、全力疾走で思ったように生きました。そして命を削りながらすごい数のライヴをこなし、極上の音楽を生み出しました。
最後に「Night Sun in Blois」を。

生で聴きたかったです。

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