自転車パンク修理の疑いと迷い。
自転車に乗る前に後輪がやけに平たくなっていた。
空気が抜けたのかと思い、空気入れを使って、空気を入れる。
タイヤがふくらんだ。
耳を近づけても、シューッといったようなもれる音が聞こえてこない。
大丈夫かもしれない、と自分に言い聞かせるように、その自転車に乗って、図書館へ行き、帰りはスーパーに寄った。
買い物を終えて、自転車に乗ったあたりで、後輪が沈んでいるのがわかり、それから乗ると、ガタンガタンという音がするような感じになり、乗り心地は極端に悪くなった。
やっぱりパンクしていた。
ホームセンター
出かける前に、パンクかも、という話を妻に伝えていたら、帰ったら、一番近くの、歩いて10分以内のホームセンターに問い合わせをしてくれて、そこで自転車の修理もしてくれるのが分かった。
駅のそばに小さい自転車屋があって、故障すると気軽に出かけ、水がたまった大きなバケツのようなもので、パンクの場所を特定し、そこに何かしらを貼って、直してくれる、と言うのが昔の自転車修理のイメージだった。
そして、タイヤのチューブ全体が古くなったり、替えなくてはいけなくなった時は、その自転車屋にあった古いチューブを持ち出して替えてくれたので、かなり安くしてくれた。
それが自転車屋のイメージだったけれど、そんな店はなくなったから、だから、ホームセンターで修理をしてくれるのは、ありがたかった。
穴が一つごとに約1000円。そんな基準まで妻が聞いてくれていたのだけど、何しろ、修理ができることがあったことにちょっと安心もしたのだけど、今の時点では、タイヤの中のチューブがどれだけ損傷を受けているのかは、外さないと分からないし、ちょっと祈るような気持ちになりながらも、穴が二つくらいはありそうだから、2000円、もしくは3つで3000円、といった計算を頭の中でしていた。
劣化していた後輪
晴れた日に、妻と一緒にホームセンターへ行った。
入り口付近にサイクルという文字があって、こんなにたくさん自転車を売っていたのかと思うけれど、いつもは食料品が中心だから、目に入らないだけだと思った。
自転車に乗らずにひいていったのは、少しでもダメージを減らしたいからだったけれど、スタッフは、腰をかがめ、後輪に触り、見てから、すぐに状況を伝えてくれる。
後輪のタイヤそのものが劣化しているので、タイヤとチューブの両方をかえた方がいい。それで、6000円くらいになります。
思っていたのと違う状況に、ちょっと戸惑い、言葉も止まる。
「もしも、今、とりあえず穴をふさいで、それで乗ったら、どうですか?」
「それでしたら、おそらくは、すぐにまたパンクしてしまうかもしれません」。
そんな会話になった。
修理への疑いと迷い
個人的には、「修理」に関して、勝手に疑いを持つようになっていた。
家の下水に何かが詰まって、それを修理してもらった時に、全部を変えないとダメ、そうしないと2〜3年でダメになる。と言われ、提示された金額は10万円を軽く超えていた。だから、とりあえず、問題の場所だけを修理してもらえませんか?そんな話をして、修理してもらってから、もう10年は経つけれど、その後も問題なく使えている。
隣の家を建て替えるときに、その会社の人が、現場に来るたびに、私たちの住んでいる家の屋根をみて、屋根の「根」が腐っている。直さないと、5年以内は持たない。などと言われ、その時、雑談として提示されたおおまかな金額は、100万に届くものだった。
その後、瓦を数枚、別の業者に直してもらった時はあったものの、やはり10年以上はたつが、まだそれほど支障なく住んでいる。
だから、いわゆる「修理」の話に対しては、警戒するようになってしまった。
今回の自転車のことも、大げさに言われているのではないか。本当は、とりあえず穴をふさげば、実は思った以上に長く乗れるのではないか。
目の前の相手には申し訳ないのだけど、ちょっと疑っていた。
自転車の新品を買うと、2万円台ということも知り、それと比較すると、6000円は高いと思ってしまってもいた。
修理依頼
だから、一瞬、とりあえずの修理にしようかと思い、妻とも相談したが、妻は、タイヤの劣化という言葉が気になっていたようだった。
確かに、ここで穴だけふさいだとして、すぐにまたパンクしてしまう、といったことがあったら、といったイメージと不安が、妻は強くなったようで、だから、全部を取り替える選択にしたいようだった。
そうなると、安心の方が大事になる。
自分がケチだというような気持ちにもなっていたが、タイヤとチューブを替えることに決めて、お願いする。
時計を見て、1時間後の時刻を告げられる。
場合によっては、ここに数日預けることもあり得ると聞いていたので、そこは拍子抜けもしたし、確かに穴を探したりするよりは、最初から全部替える作業の方が早そうだとは思ったりもしたが、でも、それだけ早く直るのはありがたかった。
そのあいだの時間に、久しぶりにこのホームセンターで、ゆっくりと買い物もできて、またお金もかかってしまったが、必要だったものも購入できて、気がついたら、1時間が経っていた。
黒いタイヤ
サイクルの売り場に行ったら、すでにウチの自転車があった。
周囲には、修理と思われる自転車がぎっしりと並んでいて、こんなに依頼する人がいるんだと思い、書類を渡して、お金を払った。
引き取った自転車の後輪は新しくなっていた。
黒い。
妻は、うれしそうだったので、よかったと思った。
これで、またタイヤを気にせずに乗れる。それは、ありがたかった。
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