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正義論の構想メモ

1.法価値

人間の最高の実践法則は、人間は目的自体として存在するという原理である。この原理を、正義に当てはめると、正義は平等を意味するから、人間の目的自体としての平等を帰結することになる。人間の「目的自体」という言葉は、「尊厳」と定義できるから、正義とは、人間の尊厳の平等を意味する。

2.法的拘束力

法的拘束力の本質は、法価値であり、人間の尊厳の平等である。すなわち、法価値は、あらゆる法規範の妥当根拠であり、法体系の紐帯である。どのような個別の法規範も、法価値の観点から説明可能でなければならず、正義に適合するという正義要求をもつ。

現実においては、法規範の正義要求への審査が問われる。法的拘束力の有無の判断である。それには、実定法と司法制度のような実施機関が必要となることは、言うまでもない。

3.公共的正当化

公共的正当化は、実体的規範であると同時に、手続的規範でもある。法規範の正義要求とは、法規範の妥当根拠に「公共的理由」をもつことを意味し、公共的理由に基づく規範的主張、すなわち、「公共的正当化」を意味している。

他方、公共的正当化は、法価値という目的に対して、手段としての価値も有している。法の定立においては、自他の視点の対等性を承認し、相互の対話によって、「公共的理由」を同定し、具体的な実定法規範の定立に結実させることが求められる。

ここでは、公共的正当化は、手続的正義として機能している。たとえば、国際法においては、形式的法源の基礎には、公共的正当化の理念が妥当し、その観点に立ち、慣習国際法の二要件論や、条約の成立要件、さらには国際法における原理の機能を、理解する必要がある。

ここでは、大国の力学が働くこと自体を批判する必要はない。法学徒は、手続的正義に基づき、法規範の成立要件を適用すればよいのである。

4.法的制裁の意味

国際法における対抗措置や、刑法における刑罰のように、制裁においては、制裁の対象となる国家や個人にとっても、積極的な意義がなければならない。一方的な正義というのは、概念矛盾である。

正義が人間の尊厳の平等であるからこそ、法的制裁は、制裁の対象を責任の主体と捉えて、正常な正義の関係に復帰・回復することを求めるものでなければならない。

国際法においては、対抗措置の要件や、国際刑事法の要件が、「公共的理由」に基づき妥当している点に、法的制裁に対する規範上の制約がある。

5.人間中心主義の意味

人間の尊厳の平等は、人間中心主義の表明である。それは、宇宙や地球の環境、命、または将来の世代に対する責任の自覚でなければならない。その意味では、環境問題も、開発問題も、アニマルウェルフェアも、人権問題である。

そして、この人間の尊厳の平等こそが、公共的正当化の基礎であり、「公共的理由」を同定する前提である。人間同士の相互性から、「公共的理由」を議論し、地球規模の共通課題に向き合うことが、人間の責任によって、求められている。

公共的正当化は、動物の権利を持ち出さずとも、動物に対する人間の責任を、「公共的理由」の観点から、相互に話し合えばいいのである


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