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greencube
紫陽花男子 #毎週ショートショートnote
客がまばらな小屋の出番を終えると、すぐアルバイトへ。こんな日々を何年続けてきたろう。ある晩、駅へと向かう路で「俺達、終わっちまったのかな」と俺が呟くと、相方のマーちゃんは、「バカやろう、まだ始まってもいねえよ」と例のセリフ、俺をネタ作りに誘った。
深夜のファミレス。俺達はすぐ煮詰まり、マーちゃんは大好きなバンドの動画を見始めた。馴染みのある曲に俺も聴きいっていると、ポツリと呟いた。「俺達、紫陽花男子になろうぜ」
それからどうやって話がまとまったのか。「春に桜前線を追う奴がいるなら、俺達は紫陽花を追いかけよう。梅雨時の日本を笑いを届けながら北上して行くんだよ」…なんて言葉につい熱くなったのか。
その後、会社に無理を言って組んだスケジュールは穴だらけ。でもマーちゃんは意気軒昂だった。出発の前、師匠の形見を質に入れ衣装を新調すると「紫陽花の七変化ならぬ質変化!」と笑って、俺たちの「紫陽花男子」ツアーは始まった。
(了) (410文字)
たらはかに様の企画に参加させていただきます。
