十中八九七五三 #毎週ショートショートnote
「十中八九七五三」。男はホワイトボードに記した。ここは高齢者対象の投資セミナー会場。「既にこれだけの投資枠が埋まりました。皆さん、一攫千金、千載一遇の機会を逃すのですか。九分九厘儲かるのに!」。混乱したまま、老人たちは契約へと手を挙げていく…。
やがて、事件は社会問題化。警視庁の捜査会議では、管理官が檄を飛ばす。「卑劣な奴等を逃してはならない。七転八倒、七転八起、四苦八苦、遮二無二頑張れ!君達の八面六臂の力で逮捕するぞ!」
三々五々、四方八方、散っていく刑事達。一日千秋の思いで待つ管理官。
必死の捜査の結果、犯人の潜伏場所が判明した。十六夜月の下、刑事達が一斉に雪崩れ込み犯人逮捕、事件は解決に向かうかにみえた。だが、逮捕者の中に首謀者の男がいない。やがて管理官の元に一通のメールが届いた。
「まさに九死一生。だが貴様が捕らえたのは九牛一毛。俺たちは必ず再生補修を遂げる。今は三十六計逃げるにしかずだ。あばよ!」
(了)(410文字)
たらはかに様の企画に参加させていただきます。
