夏風邪にペッシュメルバとニワトコちゃん
オッス!オラ、パコデルシア!(嘘)
前回のあらすじ(別に知らなくてもいい)
休暇へ旅立つ人々から、次々と試練(仕事)を託される、
底辺三級魔女・はちみつであったが、
戦闘力は、わずか3。
このピンチに、奇跡の仙桃が舞い降りる!
……がしかし
期待と仙桃は猿に奪われてしまい、
ぬか喜びと仕事だけが手元に残った。
はたして、はちみつはどうなってしまうのか――!そうだ。
今日はスーパーで桃を買おう。
そう思ってパソコンを閉じかけた、午後5時半。
ポン。
社内チャットが鳴った。
『本日中でお願いしていた件、進捗いかがでしょうか?』
ん…………????
件??……???
????

「はっっ!クリリンのことかー!!!!」
しまった。
今日までに資料を仕上げなくてはいけなかった。
人の仕事を引き受けてる場合じゃなかった。
しかも、数日前から
喉がイガイガ。
鼻もグズグズ。
夏風邪まで参戦してきた。
全然ちゃら、へっちゃらない。
ガックリとうなだれたその時。
ふわっ。
どこからか、甘く爽やかな香りが漂ってきた。
顔を上げるといつもの小部屋。
小さな可憐な白い花束を抱えた精霊が、心配そうにこちらを覗き込んでいる。

「あ、ニワトコちゃんーー!!」
エルダーフラワーの精霊、ニワトコちゃん。
古くから魔女と縁が深く、精霊が棲む木と伝えられ、魔除けとしても重宝されてきた。
『ハリー・ポッター』に登場する「杖」の素材としてもおなじみだ。
ニワトコちゃんは私の顔をじっと見る。
そして喉のあたりを指差し、瓶を差し出した。
「サンジェルマン」
手摘みのエルダーフラワーから作られるリキュール。マスカットに似た甘く爽やかな香り。
ああ、そうか、この魔法…。
桃とエルダーフラワー。

今日はこの二つで、夏風邪でへろへろになった自分を労わろう。
ただし、その前に。
私はそっとパソコンを開き直した。
画面には、途中の資料。
ニワトコちゃんも、それを見た。
私を見た。
もう一度、資料を見た。
そして――
そっと小部屋の扉を閉めた。
「置いてかないでー!!」
まずは資料を終わらせよう。
ペッシュメルバ エルダーフラワーの香りで

ペッシュメルバ
フランスの伝説の料理人エスコフィエが、オペラ歌手のメルバのために作ったスイーツ。
これをベースにしたドリンクを。

材料(1人分)
• サンジェルマン(コーディアルシロップでもいい):40ml
• 桃(ゴロゴロ角切り):1/4個分
•桃(潰すか、ピューレにしたもの):1/4個分
• フランボワーズピューレ(またはラズベリージャム):小さじ2
• 無糖炭酸水:適量
• バニラアイスクリーム:1ディッシャー
• スライスアーモンド(ローストしたもの):適量
• 作り方:
1. グラスの底にフランボワーズピューレを敷き、その上に生の角切りとピューレの桃とをたっぷり入れます。
2. サンジェルマンを注ぎ、氷を数個入れます。
3. 炭酸水を優しく注ぎ、マドラーで下から上へ軽く氷を1回持ち上げて戻す。
4. トップにバニラアイスクリームを浮かべ、香ばしくローストしたスライスアーモンドを添えます。まあ、ポッケで粉々になってたミックスナッツでもいいです。
エルダーフラワーと桃の組み合わせ
夏風邪による喉のイガイガや鼻の不調に潤いを。そして仕事のストレスで疲弊し、夏のむくみやすい身体に水はけを。
仙桃はなくても、桃はある。
夏風邪でへろへろの夜は、
「庶民の薬箱」エルダーフラワーの力も少し借りて。
頑張りすぎた喉と心を甘やかす、夏ののむ魔法。
フルールドシュローラペッシュ!

エルダーフラワー
• 呼吸器系・粘膜ケア: ルチンやクエルセチンなどの豊富なフラボノイドを含み、気管支や鼻の粘膜の抗炎症作用を発揮します。
• 水毒(要らない水分)の排出と解熱: 発汗・利尿作用を強く促し、体にこもった不要な熱や、冷房・体調不良で体内に滞った余分な水分(むくみ・水毒)をすっきりと外へ逃がします。
• 自律神経の安定: 優雅で甘い芳香成分が副交感神経を優位にし、ストレスや不安で緊張した交感神経を鎮めます。
桃
・薬膳的には、
滋陰・潤肺・生津:
「滋陰(深い潤いを補う)」と
「潤肺(肺や呼吸器の粘膜を潤す)」代表格です。
風邪や汗で失われた体液を強力に補い、喉のイガイガや乾燥を防ぎます。
• 夏の果物には珍しく「体を冷やさない」性質を持つため、夏風邪や冷房で冷えた内臓を守りながら血の巡りを整えます。
• ピーチアルデヒド: 桃の特有の香気成分であり、脳の過剰なストレスを軽減してリラックスをもたらし、浅くなった呼吸を深く整える効果があります。
