飲食店未来学223:日本と欧米の食材原価率に対する3つの違い
いま時の飲食店や弁当店、テイクアウト店では、原価率のコントロールが満足にできていないと考えるとぞっとします。それで、少し調べてみました。
大きな違いは3つあります。
★「日本と欧米は、元もとの原価率の差が5%ほどある」
★「食材の値上がりで売価に反映させることが健全な営業行為とするかどうかの認識の違い」
★「価格転嫁を即実行するかどうかの認識の違い」
日本の飲食店経営者にとって、原価率に対する考え方を今こそ改める必要が出てきたと実感しています。
欧米は28%~35%以下でも日本の中小零細飲食店は35%超えになっている
もう少し詳しい内容は、下の図をご覧ください。
●日本の料理は肉も魚も野菜も鮮度を重視される
●使用する食材数や食器数が多く料理数が多い傾向
●人件費も30%を超えるお店が増えてきた(省人化未対策店)
加えて、原価率が30%以下の大手外食チェーンにおいても、本部費用の高騰、輸送費用の高騰、宣伝広告費の高騰、食材調達費用の高騰などで、結局は中小零細飲食店と同じく、営業利益率がダウンしています。
この営業利益から消費税、法人税、社会保険料の企業負担分50%、銀行返済分などを支払いますから、本来は10%以上の営業利益率が必要なのです。

日本の飲食店の過半数は原価率35%を超えているお店が多いと判断しています。価格転嫁を積極的にしていないお店や高額食材を仕入れるお店は、売上は維持しても、原価率が40%に達して赤字経営になりやすいのです。
欧米の料理は品数が少なく、ワンプレート料理が多く、メイン食材中心のメイン料理なので、原価コントロールがしやすいのです。米国よりも食材の変化や料理性を重視する欧州の方が原価率が高い傾向があります。
原価率でわかる経営健康度
最近よく目にするのが、麺類業態のチェーン店をM&Aで傘下にするのが目立ちますよね。これは、グループ全体の原価率を1%でも下げて利益を増やすとともに、今後の節約時代に業績を伸ばす布石でもあるわけです。
仮に、個人で飲食店を開業するのであれば、15席未満の麺類店などが勝ち目がありますね。(*ご希望の方は支援します)

無責任な言い方をすれば、「%」を「体温」に置きかえると、実感がわきます。たとえば、原価率36%は平熱の36度であり、40%は危険な40度の高熱です。
致命的な40%超えの飲食店の和牛焼肉店、寿司店(魚ネタが多い)、活魚料理店(活かしの魚が多い)が高原価率でも経営で来ているのは、客単価が5,000円~10,000円以上と高客単価商売であり、「粗利絶対額が大きい」から生き延びています。
全体は原価率で判断できますが、高価格業態は原価率から粗利金額の大きさに重点が移ります。(店主の方やコンサルの方はこの点を覚えておいてください、お役に立つ知識です)
まとめ
1,食材原価率は35%目安で維持する
この比率を維持するために必要な手段は選ばない。メニュー構成を変える、提供スタイルを変える、売価を変えるなど工夫します。
2,価格転嫁は正当な営業行為と割り切って実行する
但し、値上げを成功させるための努力と工夫はしなければなりません。どうしても値上げが限界点にある場合は、思い切って「業態転換」を行い、新たな成長力を手に入れます。
3,価格転嫁時期は3つあります
★特定食材の料理の価格転嫁→10日間~30日間以内の実行
★通常の価格転嫁→2か月間~3か月間以内に完了する
★しくみの変更や機材の導入を伴う価格転嫁→4カ月間~6か月間で完了する
必要であれば最低年2回は実行できるために、最長6か月以内とするほうが良いと思います。
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(了)
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