タイムトラベルの傑作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』からAI技術で甦る番組『クイズ タイムリープ』まで (元教授、定年退職275日目)
永遠の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の魅力
タイムトラベル SF 映画の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を皆さんはご存じでしょうか(タイトル写真:注1)。この映画は、約 40 年前の 1985 年に公開された不朽の名作です。日本ではこれまでに 17 回もテレビで再放送され、世代を超えて多くの人々に親しまれています。公開時には世界興行収入で首位を獲得し、アカデミー賞(脚本賞など)も受賞しました。続編の Part 2,3も公開されましたが、やはり第一作目の完成度は高く、タイムトラベル映画の金字塔として評価されています。
物語の中心は、ロックとスケートボードを愛し、バンドマンの夢を抱く青年マーティ。彼は、年の離れた親友の発明家ドクが開発したタイムマシン「デロリアン」で、30 年前の 1955 年にタイムスリップしてしまいます(下写真)。当時私は、年齢的に主人公マーティと同世代だったので彼の視点から物語を楽しむことができました(最近では、自然とドクの視点に変化していることに気づきました(笑))。

1955 年で当時のドクと再会したマーティは、時計台に落ちる雷の電力を借りて現代に戻ろうとしますが、その途中で様々な問題が発生します。最大の危機は、マーティが若き日の両親の出会いを妨げてしまい、自身の存在が危うくなったことです。両親を恋に落とせなければ、マーティは存在しないことになってしまうのです。この斬新なタイムパラドックスの設定と、マーティとドクの友情、そして家族の絆という普遍的なテーマが融合した作品になりました。
マイケル J. フォックスの魅力と伝説のデロリアン
本作を語る上で欠かせないのが、マーティを演じたマイケル J. フォックスの生き生きとした演技です。また、随所に見られる遊び心とジョークの秀逸さも魅力です(元俳優だった当時のレーガン大統領が出演していた作品のポスターが貼ってあったりした)。キックスクーターを改造して当時なかったスケートボードを作り出したり、ギター演奏でロックンロールの誕生に関わるシーンは(下写真)、荒唐無稽ながらも不思議な説得力がありました。

そして、世界で最も有名なタイムマシンとなったデロリアン。実在する米国のスポーツカーですが、初めてのタイムスリップシーンの興奮は何度見ても色褪ません。今ではデロリアンといえば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を連想するほど、この映画と切り離せない存在です。

AI が切り拓く新感覚の番組『クイズ タイムリープ』
最近の動向として、上記のタイムトラベルのほかに、「タイムスリップ」や「タイムリープ」という時間移動を表す表現をよく耳にします。その一例が、最近放送された日本テレビの新感覚番組『クイズ タイムリープ』です(下写真)。この番組は、現代の人気芸能人が 1990 年代のクイズ番組にタイムリープし、当時の問題に挑むという斬新な企画でした。

<追記> 時間移動の概念について整理しますと、タイムトラベルは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のように機械を用いた時間移動を指します。一方、映画『テルマエ・ロマエ』のように突発的な時間移動はタイムスリップ、筒井康隆著の小説・映画『時をかける少女』のように能力を使って過去に戻るのはタイムリープです。
番組内では、作業工程から何を作っているかを当てる『クイズ世界は SHOWby ショーバイ!!』、リズムや連想・発想力を問う『マジカル頭脳パワー!!』、さらには「みんな、ニューヨークに行きたいか!」の名フレーズで知られる『アメリカ横断ウルトラクイズ』など、往年の名物クイズ番組が登場しました。最新の AI 技術により、現代の解答者が過去の映像に合成され、当時の司会者との自然な会話も実現していました。多少のぎこちなさはあるものの、故人との共演さえ可能にする革新的な演出は、新たなエンターテインメントの可能性を感じさせました。(下写真もどうぞ)

クライマックスでは、勝ち残った芸能人チームが、現在クイズ界で活躍する伊沢拓司さんの高校時代の『高校生クイズ』映像に挑みました。意外にも、芸能人チームが勝利する展開は視聴者に驚きと興奮を与えました。
AIがもたらすテレビの新時代
『クイズ タイムリープ』は、AI 技術が放送コンテンツに新たな可能性をもたらす良い例だったと思います。AI 技術の活用については様々な意見がありますが、このようにエンターテインメントの可能性を広げることは素晴らしいことです。今後、どのような革新的な番組が生まれてくるのか、大いに注目していきたいと思います。
−−−−
注1:ビデオ 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』より
注2:日本テレビ番組『クイズ タイムリープ』(12/29)より
