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ナイスミドルと妖獣の罠


私が現職へ転職した際に、
二人の役職男性から仕事を引き継いだ


かたや、もう定年をとうに過ぎたが、
後継がおらず、辞めるに辞められ
なかった方。


かたや、バリバリの働き盛り。
頭脳明晰で仕事ができて、
若手からも上司からもウケが良い。

オマケに眼鏡男子なので、
私のウケもかなり良い(笑)


そんなお二方が分けて担っていた、
面倒くさい仕事を統合したのが
今の私のお仕事だ。


私が仕事に慣れた頃、
定年過ぎた方はヤレヤレと、
ようやく退職され、今はのんびり
御夫婦で暮らしておられる。


眼鏡のナイスミドルさんは、
事務仕事から解放されたので、
さらにバリバリ仕事をこなしていた。


そんな眼鏡氏に、異変が起きた。


ペットショップで子犬と出会い、
一目惚れでお宅に迎えたのだ。


あれほどクールで機知に富み、
仕事に厳しい働きマンだったのが、
あちこちで足を止めては、
『うちの子可愛い自慢』マンに
豹変してしまった。


この職場は、私物の持ち込み厳禁で
もちろんスマホなど持ち込めない。

しかし、一部の選ばれし者たちは、
電話連絡の必要上、特別にスマホを
持ち込む権利を与えられている。


眼鏡氏も、その選ばれし者の一人。


なのに今、うっかり彼に話しかけると
膨大な量の愛犬画像を見せられる。

迂闊に「可愛いですね」などと
口にしようものならば、


「か〜〜〜わい〜〜〜んだヨ!💕」


の、『か』の部分の圧がスゴい!💦


かつて、眼鏡の奥にキラリと冴える
塩顔の目にキュンとさせられた、
クールなナイスミドルの面影は
ほとんど失われてしまった。


子犬の魔力の前にもう、すっかり
デレデレの親バカのダメ親父である。


恐るべし、妖獣子犬!!!


それはもういいので、
さっさと持ち場で仕事して下さい💢


#創作大賞2025
#エッセイ部門



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