「客が金を払ってストレスを買わされる日がある」スポーツ興行ビジネスにおける最大のタブーです。
プロ野球・球団経営および興行ビジネスの裏側
表向きの建前: 「どんな試合展開であっても、最後まで全力で戦い抜き、ファンの皆様に感動をお届けします」
プロしか知らない本音: 「大敗した試合の後半は、ファンが帰ってくれた方が球場の運営コストや警備の安全面で正直ホッとする。一番怖いのは『最後まで残ってブーイングや物を投げ込む荒れた客』の対応だ」
1. 「最低な試合」の裏で起きている経営的・運営的タブー
安全管理(クラウド・コントロール)の現実:ワンサイドゲームで大差がつき、8回や9回に観客が一斉に帰り始める光景は、一見すると「チームの人気低下」や「ファンの失望」という最大のタブー(不都合な真実)に映ります。しかし、球場の運営側や警備のプロから見れば、「一斉に客が分散して帰ってくれる方が、試合終了後の駅の混雑や事故リスク(将棋倒しなど)を防げる」という安心材料でもあります。
追加収益の完全停止:スポーツビジネスにおいて、売店やビールの売り上げは試合終盤(7回以降)には急激に落ち込みます。大差がついた試合では追加の飲食需要がほぼゼロになるため、スタッフの残業代や清掃コストを考慮すると、「早く試合が終わって客がハケてくれた方が、人件費のロスが少ない」というのが、経営企画部門が決して口にしない本音です。
2. ファンが「最低」と感じる試合を垂れ流す興行のジレンマ
「商品価値」の暴落:チケット代やグッズ代を払って球場に足を運んでいるファンにとって、一方的な大敗や見逃し三振のような「見せ場のない凡戦」は、お金と時間をドブに捨てるようなものです。しかし、プロ野球は年間143試合(JERA セ・リーグの場合)を戦う「長期興行」であるため、時には選手層のやり繰りや育成を優先し、「勝てない試合」を捨てざるを得ない日も存在します。
「金返せ」と言えない構造:映画や演劇であれば内容があまりにひどければ批判の対象になりますが、スポーツは「勝負事」である以上、どれだけ不甲斐ない試合であっても「それも含めてエンターテインメント」という免罪符が使われます。この「客が金を払ってストレスを買わされる日がある」という事実こそが、スポーツ興行ビジネスにおける最大のタブーです。
これは単なる「阪神が負けて客が帰った」という話ではないんですよね。
むしろ、プロ野球という商品が「結果」だけでなく「期待」で成立していることが、ものすごく分かりやすく出た瞬間だと思います。
「立石が見逃し三振」→「客が帰る」の本質
8回、1−7。
普通なら、もう勝負はほぼ終わっている。
ところが、2死満塁になった瞬間、球場の空気が変わる。
そして代打・立石正広。
22歳のルーキーだから、ここで一発打てば試合の流れだけでなく、
「今日、京セラに来てよかった」
という物語までひっくり返せる。
だから大歓声になる。
ところが見逃し三振。
そこで観客が帰る。
これは冷たいようでいて、実は観客が試合をものすごく正確に評価しているとも言えます。
「まだ何か起こるかもしれない」
という期待が消えた瞬間に、観客は帰路という現実へ戻る。
ここが面白い
プロスポーツの観客が買っているのは、
2時間半の野球ではない。
実際には、
「何かが起こるかもしれない時間」
を買っている。
だから7点差でも満塁になれば残る。
逆に1点差でも、
「これはもう何も起こらない」
と思った瞬間に帰る。
つまり観客席の埋まり具合は、
勝敗より「期待値」のリアルタイム表示
なんです。
これ、ECにもそのまま使える
30年ECをやっている人なら、この現象はかなり身近なはずです。
顧客も同じ。商品ページを見て、
「もしかしたら、これ良いかも」と思っている間は離脱しない。
ところが、
価格を見る
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到着日を見る
レビューを見る
商品説明を読む
「あ、思ってたのと違う」
となった瞬間、ブラウザバック。
京セラドームから客が帰るのと同じです。😂
ECサイトでは、それが音もなく起こる。
だから重要なのは、「買わせること」より「期待を失わせないこと」。
これはかなり普遍的な商売の原理だと思います。
そして立石正広という存在が面白い
今回、観客を引き留めたのは「阪神」そのものだけではなく、
「立石なら何かやるかもしれない」
という個人への期待だった。
ここに令和のコンテンツビジネスのヒントがあります。
昔のプロ野球は、
球団 → 選手
というブランド構造が強かった。
今は、
球団 × 選手 × SNS × ストーリー
になっている。
だから若手選手には、単なる「戦力」以上に、
期待を発生させるコンテンツ価値
がある。
これはスポーツに限りません。
企業でも、「この社長、次に何をやるんだ?」
「この店、次は何を仕掛けるんだ?」
「このYouTuber、次は何を出すんだ?」と思わせられる人間は強い。
期待そのものが資産になる。
今日の京セラドームが教えてくれたこと
商品価値=現在の実力だけではない。
むしろ、
「まだ何か起きるかもしれない」
と思わせる力が、圧倒的に重要。
だから商売では、
結果を出す会社より、次を期待させる会社が強い。
阪神ファンは8回裏に帰った。
でも逆に言えば、そこまで残っていた観客は、
「ひょっとしたら」
に金を払っていたわけです。
人間って、つくづく不思議な生き物です。
確実な勝利には飽きるくせに、不確実な奇跡には財布を開く。
これ、実は資本主義のかなり本質的な部分だと思います。⚾️
そしてECで一番売れる商品も、案外「一番性能がいい商品」ではなく、
「これを買ったら、ちょっと人生が面白くなるかもしれない」
と思わせる商品だったりする。
私はそこに、**「期待を設計する商売」**という次世代ECの大きなテーマがあると思います。

プロ野球・球団経営および興行ビジネスの裏側:プロしか知らない本音とタブー
「最低な試合」の裏で起きている経営的・運営的タブー
安全管理(クラウド・コントロール)の現実: ワンサイドゲームで大差がつき、試合終盤に観客が一斉に帰り始める光景は、一見すると「チームの人気低下」や「ファンの失望」という最大のタブー(不都合な真実)に映ります。しかし、球場の運営側や警備のプロから見れば、「一斉に客が分散して帰ってくれる方が、試合終了後の駅の混雑や事故リスク(将棋倒しなど)を防げる」という安心材料でもあります。
追加収益の完全停止: スポーツビジネスにおいて、売店やビールの売り上げは試合終盤(7回以降)には急激に落ち込みます。大差がついた試合では追加の飲食需要がほぼゼロになるため、スタッフの残業代や清掃コストを考慮すると、「早く試合が終わって客がハケてくれた方が、人件費のロスが少ない」というのが、経営企画部門が決して口にしない本音です。
ファンが「最低」と感じる試合を垂れ流す興行のジレンマ
「商品価値」の暴落: チケット代やグッズ代を払って球場に足を運んでいるファンにとって、一方的な大敗や見逃し三振のような「見せ場のない凡戦」は、お金と時間をドブに捨てるようなものです。しかし、プロ野球は年間143試合を戦う「長期興行」であるため、時には選手層のやり繰りや育成を優先し、「勝てない試合」を捨てざるを得ない日も存在します。
「金返せ」と言えない構造: 映画や演劇であれば内容があまりにひどければ批判の対象になりますが、スポーツは「勝負事」である以上、どれだけ不甲斐ない試合であっても「それも含めてエンターテインメント」という免罪符が使われます。この「客が金を払ってストレスを買わされる日がある」という事実こそが、スポーツ興行ビジネスにおける最大のタブーです。
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