終わりが見えなかった
返済期日までにお金を用意できないことがあった。
そんな時は、消費者金融から電話がかかってくる。
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電話の向こうの担当者は、とても丁寧だった。
「いつ頃でしたら返済できそうでしょうか。」
そんな口調で話しかけてくる。
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正直、もっと怖いものを想像していた。
テレビで見るような闇金の取り立て。
怒鳴られる。
脅される。
そんなイメージを勝手に持っていた。
でも実際は違った。
相手はちゃんとした会社だ。
敬語で話してくれる。
こちらの話も聞いてくれる。
事情を説明すれば、返済日を少し延ばしてくれることもあった。
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もちろん、その代わりがある。
返済が延びれば、その分だけ延滞金が加算される。
当然だ。
約束を守れなかったのは私なのだから。
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私は返し続けた。
毎月、少しずつ。
返済はしている。
でも、不思議なくらい減っている気がしなかった。
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終わりが見えない。
そんな感覚だった。
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借金は苦しかった。
返済日が近づくたびに気持ちが重くなる。
給料日が来ても喜べない。
頭の中にあるのは、返済のことばかりだった。
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何度も思った。
「なんで借りたんだろう。」
「あの時、我慢していれば。」
後悔しかなかった。
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結局、お金の使い方が下手だったのだと思う。
昔からそうだった。
手元にお金があれば使ってしまう。
先のことを考えず、その時の欲しい気持ちを優先してしまう。
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子供のとき、お小遣い帳をつけようと思ったこともある。
何度も挑戦した。
でも、いつも長続きしなかった。
1,2ページだけ頑張って
あとは白紙だった
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「そういう性格だから。」
当時の私は、どこかでそう言い訳をしていた。
でも今なら分かる。
性格だから仕方がないのではなく、
性格を理由に変わろうとしなかっただけだった。
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借金は、お金を借りることでは終わらない。
少しずつ希望を削り、
少しずつ自信を奪い、
少しずつ考え方まで変えてしまう。
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あの頃の私は、
返済額よりも、
「どうせ自分は変われない。」
そんな気持ちに支配され始めていたのかもしれない。
