借金が「日常」になったとき。
元アルバイト先の社長への借金は、これで幕を下ろした。
もう社長から電話がかかってくることはない。
昼の12時を怖がる必要もない。
そう思うと、正直ホッとした。
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でも今振り返ると、あの件で私自身は何もしていない。
社長が動いた。
母が動いた。
そして終わらせてくれた。
私は謝った。
それだけだった。
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全部、自分が悪いのに。
全部、自分が蒔いた種なのに。
私はまた流れに身を任せていただけだった。
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自分で問題を解決していない。
自分で責任を取っていない。
それでも当時の私は、
「とりあえず終わった。」
そんな気持ちでいた。
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そして、以前よりもさらに平凡な毎日が始まった。
朝起きて仕事へ行く。
夕方に帰る。
彼女に会う。
休日はバレーボールをする。
そんな日々だった。
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ちょうどその頃、彼女が転職をきっかけに引っ越しをした。
新しい住まいは、私の職場からも近かった。
会うにはちょうどいい距離だった。
私にとってはありがたかった。
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でも、その平穏な毎日の裏で、もう一つの返済は続いていた。
消費者金融への返済だ。
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実家暮らしだった。
家賃はない。
それでも苦しかった。
給料は高くない。
返済はある。
足りなくなったら借りる。
給料日が来たら返す。
返したらまた足りなくなる。
そしてまた借りる。
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今思えば、完全な自転車操業だった。
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それなのに私は、
仕事が終わるとパチンコ屋へ向かった。
「今日は勝てる気がする。」
「ちょっとだけ。」
「新台が出たから。」
そんな言い訳を並べていた。
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もちろん負ける。
帰り道で思う。
もう行かない。
次こそやめる。
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そして翌日、また行く。
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典型的なパチンカスだった。
今ならそう言える。
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気付けば消費者金融は3社になっていた。
借りることに慣れていた。
返済することにも慣れていた。
そして、
借金をしていることにすら慣れ始めていた。
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それがどれだけ危険なことなのか、
当時の私はまだ理解していなかった。
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そしてついに、
返済が滞るようになった。
