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第53話 好きと言えない私が、誰かを探し続けている理由

―― 愛情表現ができない夜に、量を求めてしまう ――


目次

  1. 私は今、仕事よりアプリに時間を使っている

  2. 愛されている「感じ」はあるのに、何も残らない

  3. 好きと言われても、好きと返せない不器用さ

  4. 合わせない私、媚びない私という生きづらさ

  5. 量か、質か――まだ答えの出ない問い

  6. わからないから、私は今日もアプリを開く


1. 私は今、仕事よりアプリに時間を使っている

この1ヶ月以上、私はほぼ毎日、
仕事よりも何よりも、マッチングアプリのやり取りに集中してきた。

多くの男性は、朝に一言、夜に少し。
その間はメッセージが途切れるのが普通だ。
それなのに私は、
常にスマホを触り、通知を確認し、
「今、誰かから何か来ていないか」を見ている。

今、一番時間を使っているもの。
それは間違いなく、アプリだ。


2. 愛されている「感じ」はあるのに、何も残らない

確かに、愛されているような感覚はある。
メッセージの中で、
大切にされている気がする瞬間もある。

でも、実際に会わずに終わる関係がほとんどだ。
文通のように気持ちを交換して、
それで終わる。

何かを得たようで、
何も残っていない。
そんな感覚が、ずっと胸の奥に残っている。


3. 好きと言われても、好きと返せない不器用さ

私はとても不器用だ。
相手から好意を向けられても、
自分の中に同じ感情が生まれていなければ、
その言葉を返すことができない。

夫にそのようなことで悩むという話を何気なくすると、
「そのまま返せばいいじゃん。相手が喜ぶんだから」
と言われた。

でも私にはできない。
大好きと言われたからといって、
大好きと返すことができない。

自分の中にない感情を出すことは、
私にとっては嘘だからだ。
私は、嘘をつく自分を許せない。


4. 合わせない私、媚びない私という生きづらさ

相手が喜ぶから合わせる。
空気を読んで言葉を返す。
そういうことが、どうしてもできない。

私は媚びたくない。
それが前面に出てしまう。

それは私の武器でもあり、
同時に人間関係がうまくいかない原因でもある。

誰にでも愛情表現ができる人は、
誰からも好かれているように見える。
その姿を見て、
私は時々、自分の設定を考えてしまう。


5. 量か、質か――まだ答えの出ない問い

私は、たくさんの人に愛されたいのか。
それとも、
限られた、私を深く知っている人から愛されたいのか。

正直、後者だと思っている。
でも一方で、
モデルや女優のように、
多くの人から愛される世界を
体験したことがないからこそ、
それが幸せなのではないかとも思ってしまう。

体験していないものを、
最初から「違う」と決めていいのか。
その答えも、まだ出ていない。


6. わからないから、私は今日もアプリを開く

私は「愛されたい」という気持ちは自覚できた。
でもそれが、
たくさんの人なのか、
限られた誰かなのか、
まだわからない。

だから私は今、
質より量を選んでいる。
マッチングアプリで、
たくさんの「好き」を集めようとしている。

答えが出ていないからこそ、
今日もアプリを開く。

それが今の私だ。

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