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コミュ障でひとりぼっちだとしても

ことしも輪に入れなかった。

毎年この時期に開催される職場のイベント。
賑やかで活気に満ちた雰囲気。どうしても私にはなじめない気がして、いつも早々に引き上げてしまうのです。

どうして私にはできないんだろう。

いつもの帰り道。平日は車の往来が激しいこの道も、いまは私が歩いているだけ。喧騒から離れるにつれて、緊張の糸がほどけていきます。太陽は身をひそめ、耳をすますと虫の声が聞こえてくる。
かすかに秋の気配が近付いている。夏が終わるんだ。いつのまにか、私にとっての夏は不安が混じる季節です。

夜ごはんは地元のチェーン店に寄り道しよう。心が弱っているときには、タッチパネルで注文してしまえる気楽さがありがたい。夏メニューは終了していたから、定番のセットメニューを選ぶ。そうそう、この味。
好きなものでお腹が満たされていくことを実感するうちに、そういえば、ずっとお腹が空いていたんだなと思い出しました。緊張する場所に身を置いていると、無意識に自分の気持ちにふたをしてしまうことが多いのです。

もう帰ろうかと思ったところで、BGMが好きなアーティストの歌に。耳をすませているうちに、ある歌の詩もふいに頭に浮かんできました。

「あの子にはなれないし なる必要もないから」
「他の誰でもない 何でもない 奇跡をあなたは持っている」

ありのままを受け入れてくれるような歌詞。
私と同い年の人が書いたんだと思うと勇気づけられます。

先月、誕生日でした。でも、年齢をひとつ重ねたところで相応の大人にはなれていなくて、相変わらず同じようなことで傷ついたり悩んだり。子どもの頃から苦手なことって、ずっと苦手なままで落ち込みます。

でも、それだけじゃない。
帰り道で見つけた好きなもの。夏の終わりの夕暮れ。気軽に入れる地元のお店。背中を押してくれる言葉。
自分には苦手なことも多いけど、好きなこともちゃんとある、とは大人になってからようやく分かったこと。

コミュ障でひとりぼっちだとしても、それが私のすべてではないんだ。
みんなと同じにならずとも、私らしさのある人になりたい。
これは歳を重ねたゆえの開き直りなのか。

きょうの帰り道のような、ささやかなよろこびをゆっくり丁寧に拾いあげて日々を過ごすこと。感じたことを、じっくり考えて言葉にすること。
自分のことが好きにはなれなくても、足りない自分を受け入れることはできるのかなと思った、20代最後の1年の始まりでした。



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