孤独を知っているから寄りそえるーMrs. GREEN APPLE
ミセスグリーンアップルのドキュメンタリー映画〜THE ORIGIN〜と、ライブ映画〜FJORD〜を見てきました。
きょうは、その中でもドキュメンタリー映画
〜THE ORIGIN〜のお話です。
「何万人の前でライブしたって孤独。わかる!なんて言ってほしくないわけ。わかんねえじゃん」
ソロインタビューで大森さんが孤独について語っている場面がいちばん刺さりました。わかる、なんて言えないけど。
大森さんが中学生時代、学校に行かず家にこもって音楽を作っていたことは、にわかファンの私も知っていました。けど、経緯や思いをちゃんと聞いたのは初めてです。
幼少期から友達づくりに対して気軽に考えられず、“みんなと仲良く”より“狭く深く”付き合うタイプだったそう。中学で運動部に入るも挫折し、まわりとも馴染めなくて
ー学校に馴染めなくて音楽に逃げたのか
ー音楽に集中したいから学校へ行かないのか
たぶん両方、と言っていました。
(でも、卒アルに写らないのが嫌だから行事のときだけ登校していたと過去に話していたので、人前に出ることが苦手なわけではないと思う)
同級生たちとは離れていく日々。
自分はクズか天才か。
絶対に音楽を生業にしてやるんだ、という反骨心が原動力だったそう。
今でこそ私たちはその後の華々しい活躍を知っているけど、当時の親御さんや先生は気が気ではなかったんだろうなと思いました。
その後、17?18?でライブができて、見事に夢が叶った。
叶ったはずだけど...
夢を叶えたときの言葉にすごくグサッときました。
学生生活は楽しめなかったけど、キラキラした青春とかなかったけど、ぜんぶ音楽に昇華できました!デビューの夢も叶えました!イェーイ!
なんて、軽いハッピーエンドじゃなかったんです。想像と180度ちがう言葉に、自分が目を背けてきたことの重さに気付かされる思いがしてハッとしました。
もちろん、私は学校に行かないで音楽を作っていたわけではないのですが。クラスで1人ポツンとして学校つまんないなと毎日思っていたし、特にこれと言った青春キラキラな思い出もない学生生活をしてきた自分には、心当たりがありすぎる言葉でした。
(真剣に音楽と向き合ってた人と一緒にするなという感じもするけど)青春は過ぎてから気づくんですよね。
大森さんが自身の孤独を表現した歌として挙げていたのが『フロリジナル』です。
大切な人に大切にされたい
誰かに「ここに居ていいよ」って
時間じゃない次元へ行きたい
追われる側になれない僕らは欲しがりすぎてる
追われる側になれない、は誰にも求められない存在ってこと。FJORDのライブで知った歌なのですが、ボタニカルな世界観と穏やかなメロディーに癒されるなと思いきや、歌詞が切なくてグッとつかまれました。
何万人にキャーキャー言われるようになったら孤独ではなくなるのか。心を満たすのは数の多さとか単純なことではなくて。「大切な人に大切にされたい」孤独な気持ちを臆さず表現している歌詞に救われました。ドキュメンタリー映画を見てから特別な一曲です。
さらに、映画とは関係がないのですが、『ダーリン』リリース時に大森さんが語っていた言葉も印象に残っています。
孤独を感じるということは、周りに誰かがいるということだから、ひとりじゃない。
誰かがいないと起こらない感情、決してそれはひとりじゃないっていうことの証明として『ダーリン』というタイトルをつけた。
レコード大賞優秀作品賞にノミネートされていますね。
賞を獲ることがすべてではないですが、それだけ多くの人にダーリンが支持されていると知って、うれしくなりました。孤独や寂しさ羨ましさ、やるせなさ後悔などは誰もが持つ感情で、醜いものではない。それこそ、悩んでいるこの瞬間もひとりではないと証明してもらったような気持ちになりました。
ドキュメンタリー映画に話を戻します。
10周年ライブのために『Variety』を作詞作曲する場面。「ミセスは何を歌ってる?」と大森さんがスタッフに問いかけるも、いきなり聞かれたスタッフさんは戸惑ってしまいました。
その後、歌の完成とともにたどり着いた答えは「ミセスは人の素晴らしさを歌ってる」でした。
(ここら辺ちょっとうろ覚えなのですが)
変わることない 変われやしない
代わりはいないんだ 他に
今日とて そう あなたを待っているんだ
ここで
変わることない
変わりゆく時代の中で
はじめに聞いたときは、大森さんと若井さん藤澤さんの関係性を歌った歌詞かなと思ったのですが、ファンとミセスの関係性とも受け取れる歌詞です。音楽を通してつながっている。
それはこれからも。
変わりゆく時代の中で。変わることなく。ずっと待っていてほしいという願いも込められているのかなと思います。
寂しいな やっぱ寂しいな
いつか忘れられてしまうんだろうか
それでもね 「繋がり」求める
人の素晴らしさを信じてる
ひとつの歌詞を考え出すと、他の歌のここと繋がってるなと気づいて止まらなくなってしまいます。でも、それはバンドとして伝えたいことが一貫しているからではないでしょうか。
私が知っているのは何百曲もあるうちのほんの一部に過ぎないけど、孤独を知っているから人に寄り添える、人の素晴らしさを信じているから音楽に託してメッセージを届け続ける。ドキュメンタリー映画を通して、Mrs. GREEN APPLE の歌に心を動かされる理由を見つけたように思います。
