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深層に眠る古代の精神世界【 No. 39 エジプト旅行記 でん子の冒険 3838話SP 】2026年6月23日 火曜

深層に眠る古代の精神世界【 No. 39 エジプト旅行記 でん子の冒険 3838話SP 】2026年6月23日 火曜
ホルス神殿を歩くと、この巨大な建造物がかつて途中の高さまで砂に埋もれていた事実が、レリーフの状態からはっきりと読み取れます。
かつて迫害から逃れてこの神殿に住み着いたコプト教徒や後のイスラム教徒たちにとって、多神教の神々は許しがたい「偶像」でした。そのため、当時砂から露出していた部分の神々の顔はことごとく削り取られています(写真参照)。この欠落の跡こそが、かつての地表面を教える歴史の境界線なのです。また、彼らが神殿内で生活を営むために火を焚いたことで、天井や柱の装飾が黒く煤けている場所もありました。

煤けた天井

現在のエジプト人は約9割がイスラム教徒、1割がキリスト教徒(コプト教徒)です。しかし、彼らの足元には、現在の一神教の歴史よりもはるかに長く続いた多神教の壮大な歴史が横たわっています。それが文字通り砂の下に埋もれ、現代まで守られてきたという事実は、どこか象徴的に思えます。

私たち日本人のメンタリティや社会性の根底にも、数千年続いた縄文時代の影響が色濃く残っていると言われます。現代のエジプト人を深く理解するためには、表層の宗教観だけでなく、その深層に今も静かに眠る古代の精神世界にまで思いを馳せる必要がある――。削り取られた神々の顔を見上げながら、そんなことを強く感じました。


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