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【でん子の冒険 3763話 シリコンの秘密 No.28  道具の費用のアップ】 20260408 水曜

ランニング中、縁石と道路の隙間から顔を出す、たくましくも可憐なスミレを見つけました。
沈む夕陽を浴びて、その影をくっきりと縁石に映し出す姿は、そこにしっかりと根を下ろす確かな存在感を放っていました。
【でん子の冒険 3763話 シリコンの秘密 No.28  道具の費用のアップ】 20260408 水曜
「でもおじいちゃん、シリコンのチップが大きくなった分、元のウェハ(丸い板)も大きくすれば解決じゃない? だってウェハが小さくても大きくても、パシャパシャと写真(パターン)を写していく作業は同じだもの」
アリスが提案しました。

「まさにその通りで、歴史もそうやって進んできたんだ。
1980年ごろは、チップを作る元になるシリコンのウェハは直径約10cm(4インチ)だったけれど、2000年ごろには倍の直径約20cm(8インチ)になり、2000年代の半ばには直径約30cm(12インチ)になったんだ」

「2000年でサイズ(直径)が2倍になったら面積は『4倍』でしょ? 2000年代の半ばでサイズが3倍になったら、面積は『9倍』になるね! そうして大きくしていけば解決だね! 2026年の今は、きっと直径1mくらいになっているの?」

「それがね、2026年の今でも直径30cmのままなんだよ」

「えーっ、どうして? テレビの画面なんかどんどん大きくなっているのに。写真の技術があれば大きくできないの?」

「まず、前にお話しした『脱臼(転位)のない、完璧なシリコンの結晶の塊(インゴット)』を、そんなに太く作るのがものすごく難しいんだ。とても重くなるからね。それをスライスして薄い丸い板(ウェハ)にしても、自分の重さでたわんで(曲がって)しまうんだよ」

「そうか、そもそも材料を作るのが難しいんだね。板がたわんだりしたら、パシャパシャと移動させながら模様を写すときも、歪んじゃうもんね」

「その通り。そして、その写真技術の極みである『ステッパー(露光装置)』という機械は、現在の直径30cmウェハ用のもので、1台いくらすると思う?」

「世界最先端の難しい技術なんでしょ? うーん……何億円もするのかな?」

「いやいや、最先端の装置は1台『約500億円』するんだよ」

「ご、ごひゃくおくえん!? えーっ、もうわけがわからない!!」

「調べてみると、あの『東京スカイツリー』の建設費(約400億円)よりも高いんだ。だからニュースで、『新しい半導体工場を作るのに何千億円もかかる』と言っているんだよ」

「そ、そんなにお金を使って大丈夫なの?」

「そうなんだよ。その分、チップをどんどん売って元を取らないと、会社はあっという間に潰れてしまう。もし今以上にウェハのサイズを大きくしようとしたら、このステッパーのような超精密な『チップを作る道具』の値段が、さらにとんでもない額に跳ね上がってしまう。だから、今は『これくらいにしておこう』と、直径30cmのサイズで我慢して頑張っているんだよ。」

「そうなんだ……。シリコンチップを作るって、最初にものすごーくお金がかかるんだね」

「しかも、世界中で激しい競争があるから、タイミングよく何千億円も投資して新しい工場を作っていかなければ、あっという間に出遅れてしまう。
日本は昔、シリコンのチップで世界一強かったんだけれど、残念ながら、その『巨額の投資競争』で遅れをとってしまった歴史があるんだよ」

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