なんのはなしですか── Paradigm Shift《その124》「つくるんです®」ミニチュアハウス4軒目🏡
四軒目は、
「ふくろ町」。
そう書かれた門をくぐると、
細い路地。
赤い橋。
提灯。
ラーメン屋。
桜。
奥へ奥へと続く、
小さな町が広がっていた。

最初は、
ミニチュアを見ているだけだった。
でも気づく。
これは、
見ているのではなく、
"入っていく"
ものなのだ。
不思議なことに、
入口は小さい。
でも、
奥行きは果てしない。
現実なら、
数歩で歩き切れる距離なのに、
この町は、
どこまでも続いている気がする。
そういえば、
本も同じだった。
一冊の本は、
手のひらに乗る大きさなのに、
読み始めると、
何百年も前へ行ける。
まだ見ぬ未来へも行ける。
宇宙へも、
深海へも行ける。
ページは薄い。
でも、
世界は深い。
だから両脇に並ぶ
STORIES IN BOOKS
という文字が、
妙にしっくりきた。
本の中には、
物語がある。
そして、
物語の中には、
町がある。
その町の路地裏(ロジウラ)には、
誰かが歩いている。
見えないだけで。
ふと、
「ふくろ町」
という名前を眺める。
袋町。
"袋"って、
何かを入れるものだ。
もしかすると、
この町そのものが、
物語を入れておく
袋なのかもしれない。
人は、
思い出をしまう。
言葉をしまう。
感情をしまう。
そして、
時々その袋を開けて、
もう一度、
歩いてみる。
現実の町は、
歩けば終わる。
でも、
記憶の町には、
終点がない。
角を曲がるたび、
新しい景色が現れる。
一冊の本を閉じても、
物語は、
心のどこかで歩き続けている。
この小さな「ふくろ町」も、
模型ではなく、
誰かの記憶へ続く
入口だったのかもしれない。
……なんの入口ですか📖🏮
《A Drop Remains.💧》
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