【今の政治、わかりやすく解説】「何をそんなに騒いでんの?」と思う人へ
こんにちは。政治が大変ですね。
「急に政治の話をする奴」になってみました。どうですか?「急にどうした」ではあるけど、意外と世間話の範疇かもしれないですね。今日は基本的にこれでいきます。
大変ではありますよ。なんといっても、日本が正常に機能し続けられるかどうかの岐路にありますからね。
すべての日本国民にとって超重要な局面です、今は。これが右翼も左翼も関係なくて、全員……なんならそのあとの世代にまでずっと影響するような話なんです。大袈裟でもなんでもなく、今が分岐点です。
ですから今日は「いや別になあ」という方に、一旦お伝えしたい限りです。
いいから一度見てみませんか、と。
今、何が起きているのか。
少しでいいんです。見てもらえたら大体分かりますから今だけ、耳を貸してくれませんか。
「大したことなかったじゃん」と思うのは、後ででもいいですから。
「戦争反対!」「戦争してませんけど」←これについて
今年6月、沖縄戦没者追悼式。
前に立ってスピーチをする高市早苗総理大臣に、叫んだ参列者がいました。
「戦争反対!」
激戦地だった過去から反戦意識も強い沖縄。軍拡派の高市氏が追悼に出席ということで、反発の気持ちがあったと思われます。
高市氏はこう答えました。
「日本は今、戦争をやっておりません」
これは式典の場というのもあり議論になりましたが、そうでなくても、
政治を批判する、政府を批判する、何かに反対する。
声をあげるというのはとかく疎まれますね。
最近は「戦争反対」を掲げている人にはすかさず
「日本は今、戦争をやっておりませんよ」
と言うのがうっすらトレンドみたいです。
あなたももしかしたらこう思っているかもしれません。
「多数派も、総理大臣もそう思ってる。じゃあそっちが正論なんだろう。政治批判してる人たちは何言ってるんだか」
と。
うーんそれはどうだろう、
と私は思います。
私は戦争反対を主として掲げてはいませんが、少なくとも最近のこの"正論"トレンドは見ていて「奇妙だ」と感じます。
だってその返しは、反論どころか、返答として成立していませんから……。
政治批判における「戦争反対」は、明らかに
「今、日本が戦争をしている」という意味ではありません。
「戦争を二度と繰り返さない決意を忘れるな」
「戦争に参加できるようになる環境整備に反対」
という意味ですよね。長いので「戦争反対」。
下り坂をローラースケートで爆走しようとする子供に「転ぶぞ!(だからやめとけ)」と言う親がいたとして、
「お子さんは今、転んでおりません」
と言う人がいたら「なんやこいつ」じゃないですか?
転んでからでは遅いやろがい。
「転びませんよ。なぜなら〜」とか、「転んだっていいじゃないですか」ならまだ反論として機能していますが……。
「日本は今、戦争をやっておりません」は、それなんです。
“正論”らしく聞こえるものが、実は論点の噛み合っていない話であることは結構あります。多数派や総理大臣が言っていることでも。
「多数派や偉い人が否定している意見は、聞くに値しない」と決めつけてしまうのは、早すぎると思うこの頃です。
もちろん、政治批判も、それへの批判も、右翼も左翼も保守もリベラルも多数派も少数派も、一理あるときと、めちゃくちゃなとき両方あります。
だからこそまずは決めつけないで、どっちの意見をどう考えるか、自分でも考えてみるのをオススメします。
このnoteに対しても。まずはね。

国会、今まさに開催中!
悲しきバイアスの話はこのくらいにして、今!何が起こってるかご存知ですか!?
そう!国会です!
毎度いつのまにか始まっていつのまにか終わっている印象の国会ですが、今回の期間は2月18日〜7月17日(延長しなければ)です。まだ終わってない!間に合った!
国会に関しては、まず前提として
国会の大きな役割は法律を決めること
その議会過半数の賛成があれば可決となる
与党と野党があって、
与党:総理大臣が所属し、政権を担う。今は「自民」と「維新」
野党:与党の政権運営を監視する
それから仕組みとして
「衆議院」と「参議院」からなる
衆議院:まずはこっちで話し合い、可決されたら参議院へ。与党が過半数
参議院:比較的野党が多く、与党が過半数ではない(与党が過半数に3議席足りていない)
というくらいが分かっていれば十分です。
議席割合のグラフを載せておきます。
衆議院

〈画像出典:nippon.com「衆院選2026 : 自民歴史的大勝で3分の2の議席確保、中道は自滅惨敗」(2026.02.09)〉
衆議院は与党が過半数なので、与党が法案を通しやすいです。野党が全員反対しても通せます。
参議院

〈画像出典:nippon.com「2025年参院選 : 自公過半数割れ、国民・参政が躍進」(2025.07.21)〉
参議院は衆に比べて野党が多く、与党の賛成だけではギリ通りません。(3議席足らないだけなので、依然として与党は強いですが)
野党が多いので色んな意見が出ます。
ちなみに法案が成立するまでの流れは、
党内で法案をまとめ、提出
↓
衆議院
法案が適切か審議
↓
可決されたら参議院で審議
↓
参議院でも可決されたら法案成立!
です。
国会については、まずはこのくらいで!
ゲームでも取り返しのつかない要素は先に知っておきたい
国会は新しい法案や改正を審議する場……つまりアップデート会議です。
アップデートは必要ですね。やっぱこの国ってもっと良くなれると思うし。ヨ!日本、がんばれ。
しかし、アップデートには、「悪い方のアップデート」も存在します。悪い改め方、「改悪」と呼ばれたりもします。
ゲームにも改悪ってありますが、これは国単位です。生活の苦しさや国民の命や人生に直結するので、ヤバいアップデートには反対していかないといけません。
「悪い方」かどうかには色んな視点があります。暮らしづらくなる、国民の負担が増える、国が貧しくなる、外交に悪影響がある、倫理的に問題がある……
その中でも私が特に気にしているのは
「権力を止める仕組みがちゃんと機能しているか」
です。
大きな権力に対してのブレーキがなくなると、取り返しがつかないのでヤバいんですよね。
ブレーキがないとどうなるのか?
おお、思い浮かべてください、某・美大落ちチョビ髭おじさんを……
とまあナチス・ドイツが代表例ですが、第二次世界大戦中の日本も普通にこれでした。
強くなった軍の発言権、天皇万歳、反対意見は「非国民」、逮捕。報道も見張られる。政党は「大政翼賛会」という一つの党にまとめられてしまい、野党が「それはまずいぞ!」とか言う余地はない。
誰も止められない。これが権力暴走の怖いところです。
現実的に考えて、問題のない人だけをトップに選び続けるのはとても難しいことです。人はときに間違えます。
だからこそ大きな権力には、誰が権力を持っても絶対悪用できない、暴走できないような仕組みでブレーキをかけないといけないんですね。
注意すべきは、こういうのはある日
「今日から独裁だよ☆」
となるわけではなく、(なることもあるけど)
少しずつブレーキが外れていった結果ということです。
つまり取り返しがつかない、地味にヤバい更新の積み重ねです。
では今は何がヤバいのか?
とりあえず一番ヤバい『比例45議席削減』
今回の国会すごくて、権力ブレーキゆるめ法案が色々出てるんですけど、とりあえず私的に一番ヤバいのはこれです。
『衆議院の比例代表の議席を45議席削減する法案』
(not正式名称)
もっと正確に言うと、
『衆議院の議席を減らそうって話が賛否両論だから、
1年以内に結論が得られなかったら自動的に比例代表だけ45議席減らすってことでどうかな法案』
与党が提出した法案です。
「全然ピンときてないけど……議席を減らすのはいいんじゃない?
さっきの話だと、衆議院って与党がかなり多くてパワーバランス偏ってるんでしょ?ちょうどよくなりそう」
逆なんです。問題はこの『比例のみ』というところ。
選挙での当選の仕方には2つあって(難しいので詳細はハショりますが)、そのうちの『比例代表制』は、大きな政党だけでなく小さな政党も議席をもらいやすい仕組みです。
つまり"数では負けているが必要な意見"を含めた国民の声を国会に届けるための重要な枠。
その枠だけ45議席も減るということは、既にただでさえ少ない、与党と違う意見を出せる人が、さらにごっそり減らされるということで……
与党を……与党を止められる人がいなくなる……。
比例だけなのもよく分からないのですが、
「比例だけ45議席減らしたいんですが、どうですか?」
と議論のテーブルにのせるんじゃなくて
「1年以内に決まらなかったら自動的にウチに都合のいいようにやるってことでどうですか?」
なのも個人的には「なんでだよ」です。
「あいこだったら自動的に俺の勝ちでいいですか?」←なんでだよ
そもそも議席を減らしたいという理由も、私が調べた範囲だと「人口減少に伴い」と「予算削減」くらいしか観測できませんでした。得られるものに対して失うもの(ブレーキ)がデカすぎる。
ちなみにこれが可決された場合、衆議院全体での議席はこうなります。
↓
野党のみなさん
日本共産党 50%減
参政党 50%減
国民民主党 23%減
チームみらい 27%減
中道改革連合 19%減
与党のみなさん
自由民主党(自民党) 5%減
日本維新の会 6%減
〈出典:時事ドットコム「参政・共産が半分、国民民主は3分の2に 比例45減、中小議席へ影響大」(2026/06/28) https://www.jiji.com/jc/article?k=2026062700412&g=pol 〉
反対する野党をガン無視して、与党が通したい法案を通せるようになるくらい圧倒的な比率になりますね。
私がどこの政党を推してるかとかそういう問題じゃないですよこれ。議論をする場で勢力がこんなに偏っていたら、健全な議論が成立しません。
でも今の時点で与党は半数超えてるので、野党が反対票を入れたところで数の力で押し切られてしまいかねません。
なので野党は今、団結して国会をボイコットしたりしています。
野党が全員いない(=反対意見の出ない)国会なんかろくに機能してると言えないので一旦ストップかかるだろうと思われていたのですが、
与党は先日、構わず強行して与党だけの国会をやりました。
もうすでにだいぶ「誰も止められない」域に片足突っ込んでいる気がしてならない……。
国会は今後どうなるのか。
ともあれ、私はこれが一番、通るとまずいと思っています。以降にどんなヤバ法案が出てきても通ってしまうからです。今が分かれ道だ。いやマジで。

『国旗損壊罪』『スパイ防止法』できまるコンボ
続いてのイカれたメンツを紹介するぜ!
『国旗損壊罪』!
自民、維新(与党)と、国民民主、参政党が提出した法案です。衆議院では野党ボイコット中に可決されました。
原文↓
"人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。"
日本国旗を壊したり汚したりしたら、(著しく不快になる人がいるので)罰する! という法案です。
さすがに説明するまでもなさそうな過激さ。
まず「表現の自由」に抵触します。
物理の旗に限定されず画像も動画もアウト。作品表現や抗議活動やパフォーマンスなども対象になり得ますし、
「不快」という主観が入る以上、運用次第でどこまでも広げられます。
維新によれば「(この刑罰で)国旗を大切にする気持ちが醸成され、愛国心も醸成されていく」とのことなのですが、とすると
愛国心を醸成するために、
「国旗を大事にしないやつは愛国心が足りない」とみなし、
刑罰にて「罰する」
ということになり、じゃあ「思想の自由」にも抵触してきます。
刑法研究者の江藤教授が言うように、
「刑罰は国家が個人に課す最も強力な制裁」です。
単にその行為は望ましくない、というだけでは足りなくて、必要性、相当性、処罰範囲の明確性が必要です。
(字幕をつけてくださった動画があるので添付しておきます。とても分かりやすいのでぜひ)
#国旗損壊罪#衆院内閣委員会
— ふっちゃん@戦争反対 (@ashitawawatashi) June 25, 2026
参考人、刑法研究者の江藤隆之教授のお話がめちゃくちゃ面白かった!
頑張って聞き慣れない文言を調べつつキャプションを付けたので、ぜひ見て!
自民党がいかにアホな法案を作ってるのか分かって笑えるから😂… pic.twitter.com/5lajb4W0XG
曖昧な刑法というのは危険なんですよ。さらに言えば、思想を取り締まる法律なんてのは、もっと危険です。
そしてここにコンボを決める。
『スパイ防止法』!
こちらはまだ法案としては成立していません。
が、自民と維新の合意書に、スパイ防止法制は「速やかに法案策定」と記されています。
ところでSNSなどで「こんなことをするのは日本人じゃないはずだ!」「本当はなに人なんだ!言ってみろ!」と決めつける人を見たことはありませんか?
都合の悪い人を、「日本の敵」認定したい。そんなとき「スパイ」は非常に好都合です。
スパイの明確な判断基準なんてありませんから、一度疑われてしまうと、「違います」と言っても「隠している!余計に怪しい!」と言われるだけ。
なんとネット上ではすでに「スパイ防止法に反対するなんて、お前はスパイなんだろ!」
という声が飛び交っています。
もうこの時点でダメですよね。
ちなみに1986年の自民党法案では、「防衛秘密を探知、収集したものは罪」「未遂も、陰謀(たくらむこと)も罪」ということで、
「たくらんでいただろ!」で逮捕いけます。
〈参考:「スパイ防止法」制定促進サイト『「スパイ防止法案」全文』〉
さて、この『国旗損壊罪』と『スパイ防止法』。
どちらも言いがかりで逮捕できてしまいかねないコンビです。
「考えすぎだよ」と思いますか?
しかし戦前・戦時中の日本は、法律を盾にした言いがかり逮捕のオンパレードでした。
まず治安維持という名目で作った『治安維持法』で
共産主義者、政府批判者、反戦を主張する者などを「危険思想」として、
「国を変えようとしている!」「非国民だ!」
と、次々逮捕。
天皇を敬う気持ちが足らないとされれば『不敬罪』。天皇陛下への愛の不足は愛国心の不足!戦争反対?天皇反対と見なして逮捕しますねー。
『軍機保護法』では軍の秘密を知ったり漏らしたりした者、そう思われる者を処刑。範囲を拡大して言論統制にも。
どれも基準が曖昧で、だからこそ、国家の都合の悪い人物を排除するために使われるようになった法たちです。
確かに過去の例ですが、時間が経ったというだけで、今後同じことが起こらない保証はありません。悪用「できちゃう」法律はないに越したことないです。
私もあなたも、言いがかりで逮捕されたくはないでしょうしね。
「憲法改正したい!」 この機に確認、憲法キホンのキ
自民党の方針の大きな柱に、『憲法改正』があります。特に高市政権はそれを強めに押し出しているので、ほぼ実行すると思っていいでしょう。
実は、一番取り返しがつかないのはこの
憲法改正
です。
まだ本格的には動いていないので、緊急性の高い提出法案たちを先に出しましたが、これが一番影響が大きいことは間違いないです。
「憲法って絶対変えちゃダメなの?」
実は私は、「変えてはいけない」とは思っていません。
なんなら「変えるべきところもある」と思っています。
ただ、憲法は、変えたりするのにめっっっっっっっっっっっっちゃくちゃ慎重でなければならない!
と思っています。
そして自民党が「どこを、どう変えるつもりか」を見た上で、「その内容なら絶対変えちゃダメだ!」と言っている立場です。
(「内容に関わらず、憲法は絶対変えちゃダメだ」派の改憲反対派もいます)
そんな風に思ったことがない人は、熱量にびっくりするかもしれません。「な、なんでそんなに憲法改正に慎重なの?」
なのでまずは憲法の話をしましょう。法律とは何が違うのか?
『憲法』とは、国民の権利・自由を守るために、国がやってはいけないことや、やるべきことについて国民が定めた決まり。国の最高法規です。
〈出典:日本弁護士連合会「憲法って、何だろう?」〉
最も強い効力を持つ、一番上のルール。"大原則"みたいなもの。法律は憲法の下にあり、憲法に違反しない形で定められます。
そして憲法は国民を縛るものではありません。
国を縛ります。
これがめちゃくちゃ大事です。赤ペン引く機能がnoteにないので心で引いてください。
国はあくまで国民の生活を守るための仕組みであり、決して『国家』のために『国民』がいるわけではない。
のですが、縛りがないと国家は往々にして国民を駒のように扱ってしまいますから、それを「国よ!道を違えるな!お前の在り方はこうだ!」と定めておくのです。私の言う「ブレーキ」の最も強い形ですね。
そんな
「国家を縛る法(しかも大原則)を、国家自身が変えようとする」
ことがかなり怖いことは、想像に難くないと思います。自分を縛るものを自分でゆるめられたら意味がありませんからね。
だからホイホイ変えられないように、改憲の手続きのハードルはかなり高く設定されているんです。(衆議院・参議院の両方で3分の2の賛成を得て、最後は国民投票で過半数の賛成を得る必要がある)
ちなみに現行の日本国憲法は、
国民主権・基本的人権の尊重・平和主義
という三大原則を柱にした、かなり近代的で完成度の高い憲法です。国際的にも評価されています。
だからこそ相当な妥当性、正当性がない限り、「この美しい原則を崩すのか」と警戒されるというわけです。
自民党の激ヤバ草案(原文)を読んでみよう
「激ヤバ」って書いてもうてるよ。
いやね、ここまで読んでくれた皆さんなら見たら分かってくれると思うんですよ、特に前章を踏まえて頂けると。
ここに2012年に自民党が作った改憲草案があります。現行憲法と比べながら原液で読んでみましょう。
読むだけなのであまり気張らず、箸休めだと思ってください。
(↓自分で読みたい!という方はこちらから
自民党「日本国憲法改正草案 | 資料」https://www.jimin.jp/constitution/document/draft/ )
本当は手を入れずに引用したかったんですが読みづらかったので、現行憲法はニュアンスを維持しつつ意訳という形にさせて頂きます。(改憲草案は原文ママ)
まず前文。
現行憲法(意訳)⋯ 日本国民は、正当な選挙で選ばれた代表者を通じて、われらとわれらの子孫のために、外国と協和し、自由のもたらす恵みを確保し、政府によって再び戦争の惨禍が起こることがないように決意する。
そしてここに主権が国民にあることを宣言し、この憲法を確定する。
そもそも国政は、国民の信託によるものなので、その権威は国民に由来し、国民の代表者がその権力を行使し、国民が利益を享受する。これは人類普遍の原理である。われらは、この原理に反する一切の憲法、法令や詔勅を排除する。
日本国民は、永遠の平和を願い、人間の相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚し、平和を愛する諸国民を信頼して、われらの安全と生存を保とうと決意した。われらは、平和を維持し、支配と服従、圧迫と偏狭(不平等)を地上から永遠になくそうと努めている国際社会において、名誉ある地位でいたいと思う。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和に生存する権利をもつことを確認する。
いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない。政治道徳の法則は普遍的で、この法則に従うことは、自国の主権を保ち、他国と対等に立とうとする各国の義務だと信じている。
日本国民は、国家の名誉にかけ、
全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。
改正草案⋯日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。
我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。
前文を削除して全て書き換えたようなのですが、
ああ〜〜目的が、伝統と国家を継承するため になってしまいました。
戦争を繰り返さず、平和を維持し、国民が自由で安全にいられる理想のため ではなくなってしまいました。国民のためだよ!という念押しもほとんど削られています。
共同体としての「和」、そして「全体」のために個人が貢献するべきという、いわゆる『全体主義』の意識が非常に色濃く出ていますね。近代的な個人主義とは真逆です。
現行憲法にはないが、草案では新設された条項(いっぱいあるけど抜粋)
第三条 ‘国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。’
2 ‘日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。’
最高法規で国民にナショナリズム強制✕。
第九条の二 国防軍
3 ‘国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、
国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動
を行うことができる。’
自衛隊が現行憲法に明記されていないので「国防軍」として明記したいようです。私個人は自衛隊の明記には賛成の立場ですが、この条文がまずい。
曖昧なため、戦争のことを「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」と呼べば戦争に参加できてしまいます。
二十一条 表現の自由
‘集会・結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。(ここは現行憲法から継続)
(新設)2前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。’
目的としてるかどうかは判別できないし、国民の人権が公衆の利益・秩序に負けています。
第百二条 ‘全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。’
憲法を尊重しなければならないのは「国家」です。
言い換え (大量にあるけど抜粋)
第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、‘絶対にこれを禁ずる。’→ 〜刑罰は、‘禁ずる。’
「絶対に」を削除。他にも、強く禁止する条文から念押しの強調を削除した箇所がいくつもあります。
‘公共の福祉 ’→ ‘公益及び公の秩序’
"公共の福祉"とは、人権と人権がぶつかりあったときには調整する、という概念。一方、"公益"とは、社会一般への利益のこと。
最大限の人権を尊重するための制限だったはずが、公衆の利益のための制限にすり替えられています。
まだまだいっぱいあります!
いっぱいありますが、終わらなくなってしまうのでこの辺りで。伝われば幸いです。

『ある条項』は歴史に何度も現れる
先程の自民党草案はさすがに変更範囲が広すぎて(マジで広い。全部ちょっとずつ変えてる勢い)採用されないと判断したか、高市政権では掲げている「改憲」の内容は4つに絞られています。
まだ実際どうなるか分かりませんが、
しかしこの4つの中にすでに、見逃せない、取り返しのつかない要素があります。
『緊急事態条項』です。
これは大きな災害やテロなどの緊急事態には
政府に特別な権限を与え、国会を経由せずに法律と同じ強さを持つルールを敷ける
というものです。
確かに、有事の際には会議を開いている場合ではないので、必要なのかな?
日本弁護士連合会は「今あるルールで十分対応できるから絶対いらない」〈日本弁護士連合会「緊急事態条項って 必要なの?!」より〉と言ってましたが、私は今あるルールをまだ全部は読めておらず……そのうち確認したい。
ただ、ひとつ言えるのは、
私はその権限の暴走を、歴史の授業で何度も見た
ということです。
もうこの記事では二度目の登場、ナチス・ドイツの『全権委任法』が有名ですが、
実はこのような事例は世界中で、どの時代においても見られます。
古くはなんと紀元前のローマ共和国にまで遡ります。
本来は非常時だけだった『独裁官』の任命ですが、カエサルが『終身独裁官』を名乗って長期にわたり権力を集中させ、共和政が崩壊。
近くは1975年のインド。インディラ=ガンディーが『非常事態宣言』で言論弾圧と検閲を行い、約700人を逮捕しました。
「非常時だから権力を集中させる」
という一文は、時代も国も違うのに、何度も似た結末に繋がっています。
よほど上手くやらない限り、危険性が大きすぎる条文なんです。
「じゃあ厳しく条件を付ければ大丈夫?」という話なのですが、
実は先程の自民党草案に盛り込まれていた緊急事態条項には、一応色々制限が付いているのを確認できます。
しかしそのことで逆に、「緊急事態条項」自体には賛成の立場からも「制限が多すぎて非常時にまともに機能しない、いらない」と批判されているくらい、中途半端な内容であるみたいです。
「よほど上手くやらないと」と言いましたが、独裁リスクも、発動したときの効力も、まったく上手くやれていないわけですね。
それならなおさら、わざわざ憲法に入れる必要はないと私は思います。リターンなしにリスクを増やす意味はありません。
しかもそのデメリットが独裁リスクである以上、生半可なつくりなら無い方が絶対いいですね。
いい子のみんなと権力勾配~「悪口言っちゃいけません」?
そろぼち終わりですが、終わる前にちょっと、私たち日本人の意識の話をしたいと思います。
私の母は政治の話が好きではありませんでした。
というかそもそも批判が好きではありませんでした。
政治批判によく渋い顔で
「悪口言っちゃいけません」
「また人のせいにして……」
と苦言を呈していました。音楽カルチャーでの社会批判まで「悪口言ってスッキリしたいんでしょ」と評していたほどです。
どうも政治批判を『悪口』だと思っているみたいなんですね。
そして悪口を言われている人は可哀想だと。
道徳意識の高い人でしたからね。
「文句を言わない」「人のせいにしない」
「大人しさ・利口さこそ、賢い日本人的美徳」
この国ではお馴染みの意識です。
とすれば、なるほど
"政治批判で声をあげてる人"は他責の極みで、悪口を言いたいだけの人に見えるでしょう。
──もちろん、
市民が市民をむやみに悪く言うのは褒められたことではありませんし、
自然災害など避けられないものに対して、「文句を言っても仕方ない、受け入れて前向こう!」と思うのは立派です。
しかしそれを政治と混同するのは御法度!
まず政治批判は個人の人間性への攻撃ではありません。相手は政府や政治です。
そして政府と私たちは、対等ではありません。
そこには
権力勾配
つまり平らではない、傾きがあります。
勾配があるからこそ、坂の下から上へ向かう批判は、単なる『悪口』とは意味が違います。
そんな構造にあって、「弱い者いじめはいけません」の延長で
「立場が上の人も批判してはいけない」
と考えてしまうと、それは優しさではなく
権力への遠慮
になってしまうのです。
遠慮するな!一市民!
声あげるのは『悪い子』じゃない。
現代において政治はもはや「変えられない」「下民が口を出してはいけない場所」ではなく、政治は『天災』ではありません。
変えられますよ。その権利があります。今からでもOK。
「急に政治の話をする奴」なんて、山ほどいていいんですぜ。
おまけ
本編で書かなかった不満もたくさんあるんです〜〜〜〜 問題点他にも知りたい!という方は覗いていってください。(主観も多いので話半分に。解説あまりないです)
今じゃないだろシリーズ
今の天皇の直系の子孫が女性一人なので『皇室典範改正』で男の養子を天皇に〜というのを推し進めています。この時代にそこまでして女の天皇を認めないか……!てか最優先で進めてるけど絶対最優先じゃないだろこれ
『AI基本計画』 まだ問題も多いAIを、「まずやってみる」(基本計画の素案より原文ママ)とのこと。
衆議院の議席削減理由が「35億円の削減」なのにいち民間企業のゲーム開発に15億円支援、国産AI会社に3873億円(桁間違ってないです)出すらしい。絶対衆議院削らなくていいじゃん
はよしてくれシリーズ
急ピッチで重大な変更を進める一方、同性婚も夫婦別姓も認めない。改憲草案もそこノータッチでしたね。
オタクなら分かってくれるはず、同性婚のできなさ、歯がゆさ。何十年やってんだこれ。私も当事者なので、はよしてくれと言い続けてます。
あとこのあいだ国会で「減税の話し合いは見送る」と決まりました。国民のための公約は守る気がない?
まだ確証は持てないけど危惧してるやつ
『予備自衛官等兼業特例法』予備自衛官を兼業してる公務員の退路が断たれました。「上司の許可が降りなかったから訓練や戦争行けません」が認められなくなり、つまり一度採用されたらもう行くしか……。
いまのところ志願制なのでなりたい人だけなればいいのですが、公務員は公僕なので、「人数足らないから、なれよ」と国から圧をかけられる可能性を危惧しています。(的外れだったらスマソです)
さいごに
もしかしたら、というか余裕で、「読んだ上で、やっぱり同意できない」と思われることもあるかもしれません。
それでも私は、まずは政治について興味を持ってくれてありがとうございますと言いたいです。興味を持って、ここまで読んでくださりありがとうございます。
政治には本当にたくさんの視点があります。なので「自分はどう考えるか?」をそれぞれが考えることが大事になってきます。
noteなんて生まれて初めて書いたもので、至らない部分も多いかと存じますが、この記事が少しでも政治について考えるきっかけになったなら幸いです。
私自身もまだまだ勉強中です。頭を抱えながら色々な資料を読み、情報を確認し、考え続けているところです。もし事実と異なる部分や誤りがありましたら、ぜひソースとともに教えていただけると嬉しいです。今後の学びに活かしたいと思います。
重ねてになりますが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
(できるだけ多くの人の入口になれたらと思うので、少しでもこの記事いいなと思ったらスキや拡散などしてくれるととっても助かります!)
