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額に入った夕暮れ (ショートショート)

 ぼくの初恋は同じクラスの転校生だ。好きになったあまり、持ち物を奪ったり後ろから突飛ばした。いじめるたびに彼女は泣いた。泣かないときは、ぼくを睨む。そういう顔もかわいくて毎日その子に構った。

 ある日、その子は家に招いてくれた。学校の帰り道に町のはずれまでついていく。ステンドグラスのある大きな家だった。この街にこんな家ってあったかなと思った。その子によく似た母親が出てきた。
「お菓子があるからお食べ」

 赤い夕陽がさす食堂に入る。お菓子は美味しかった。ぼくは「いじめてごめんよ。好きだからだよ」 と謝った。
「もういいのよ」
 ぼくが食べている間、その子は初めてぼくを見て笑った。母親も一緒に笑った。
「今度は私がお前を好きになってあげるね」
 大きな窓枠がぼくの上に囲うように落ちてぼくは動けなくなった。周囲が赤くなった。
「これはお前の血でなく、夕陽だよ」
 赤味が強くなりそして暗くなってくる。暗闇の中でその子がまだ笑っている。





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