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まぼろしのUNI 第15話〜槍ヶ岳はどこに行ってしまったのだろう〜

海はおどろくほど静かだった

槍ヶ岳さんは…


どこに行ってしまったの、だろうか

うみは、何度も呼びかけて

気づいたらまた、
涙が出ていて


だけど、

いつもの光やオーラが
針山に二度と灯ることは無かった


うみは…唇を噛んで項垂れて
そのまま、自分の黒い体が
海の深い青に溶け込んで
飲み込まれて消えていくような


気がした

どうすることもできずに俯いて…

一体どのくらい経ったのだろうか…


チカ  チカッ

  チカッ

キラ キラキラ…

うみは
俯きながら
周りで何かが、光るのを

目のはじで捉えた

…なんだろう…

うみ

気になって少し
顔をあげると…


そこには

わぁ…!!!

うみ


夜光虫や
ウリクラゲ、光る
生き物たちが作り上げた

海の中の星空が広がっていた

光っては消え


また光っては消えて


うみは、地上にいるだろう
見たことのないホタル、という
生き物も同じように命を燃やしながら
夜空を彩っているのだろうな

と、まだ出会ったことのない
世界へ思いが向いた


うみが来る前、
槍ヶ岳はいったい何度この美しい景色を
目にしていたんだろう
この美しい景色は
何度見ても
初めて見た時のように
同じように感動するの、だろうか

いや、きっと
初めて見た時のこと、は
忘れられないんだろうな、きっと


うみは出会う前の
槍ヶ岳のことをあまりに
知らないな、、
この景色、一緒に見たかったよな、、
とまた思いに耽っていると…

キラリ

見間違えだろうか?

夜光虫の光に当たって槍ヶ岳の真上に
何か細長く伸びる光が一瞬見えた気がした


オイ!なんだ?やるのか!
姿を見せろ!!コラァ!

サウザンド

槍ヶ岳の近くで、激しく怒っているのは…

ハリセンボンのサウザンドだ!

普段はのんびりしているが、
怒り出すと手をつけられないことを道場の者で知らない者は居なかった
彼の針が287本しかないことは道場の皆、周知の事実であるが、それを口にする者は誰ひとり
居なかったくらいだ

喧嘩はやめ…

うみ

と言いかけたところで

うみは、言葉を失った

サウザンドは
槍ヶ岳の数10cm上で怒号を浴びせながら
膨らんだり、萎んだりを繰り返しながら
行ったり来たりを繰り返しているのだが、、
何も無い空間に怒号を浴びせている

一体、どういう事だ…?


すると、


キラリ

また、夜光虫の光に合わせて槍ヶ岳の真上で
何か細長く伸びて光る

これは!もしかして!!!

うみ こころの声

サウザンド!

残念だが予想どおり
うみが、大声で叫んだところで

怒り狂ったハリセンボンには届く筈もない


仕方がない、と呟いて

管足でギュッと岩場を掴むと
うみは後ろに目一杯ギリギリと身体を引いて
狙いを定めると
パチンコのようにパンッと弾けるように
飛び出した

ひゅるるるるるる〜!!!

うみの身体は回転しながら
大きな弧を描き

怒り狂ったハリセンボンに目掛けて
高速回転しながらぶつかって行った


一瞬の事だった

だがその瞬間、自分は回転しながら
まるでスローモーションのように


通り過ぎる時にハッキリと

光の筋の正体を

やはり、この棘と同じ差し色だったか

うみ

と認識すると、


ハリセンボンにばいーーーーーーんと
ぶつかって地面に叩きつけられた

なんか、もう 前に進もうとすると何かに引っ掛かるし!!ウニがぶつかって来るし、今日はなんてついてないんだ!!んもぅ!!!

サウザンド

とサウザンドは、ぷーっと膨れたまま、
ふわふわと泳ぎ去っていった

一方、うみは

ひゅるるるるるる〜  グサッ

そのまま棘が勢いよく刺さり、

地面から抜けなくなってしまったのだ…


to be continued…

(本文:1377文字)



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