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まぼろしのUNI第13話〜憧れはまぼろし〜


だと、したらどうなるの?
あなたには関係のない事だわ 4本足はね、この暗い海の底で一生を終えるの 
そんな話、ずっと聞いてきた 
そして、いま私があなたに伝えたわ
私はいま道場のエージェントとして勤めているけど、エージェントとして一生を終えるのよ

謎の美人

道場?みつきは、この場所について聞くことを忘れていたのに気づいたが、自分の口からでた言葉は違った

本当にそうだろうか?
科学的に証明できるの?僕は海の調査をするために仲間たちとここまで来たんだ
潜水艦を直して絶対に地上に戻れると、証明してみせる!そして、僕は…テンレックだっ!!!

みつき

初対面なのに、ものすごい剣幕で捲し立ててしまった
科学者の悪い、癖である


美人は、一瞬面食らったような顔をして

アッハハハハハーーーー!!と
大声で少女のように
弾けるように笑った

おかしいわ、テンレックさん
こんなに笑ったのは久しぶり
そうね、潜水艦、直せるものなら直してみなさいな そしたら、私を一番に乗せて頂戴
出来るものならね

ぼうや、ふたつだけ教えてあげる
ここでは、道場に顔出した方がいいわよ
それから、私はハリネズミです

謎の美人

じゃあ、
出口はあちらです
その先に、師匠がいるので
お話なさってくださいね、
と事務的に言うと奥にゆっくりと
歩き始めた

みつきは、ガッカリして
曇った眼鏡のレンズを擦ると…

アレ?

ハリネズミではなく、
そこに居たのはウニの様な気もして
もう一度、眼鏡のレンズを擦って見てみたが
はるか向こうに見える棘が
ハリネズミの背中なのか、ウニの棘なのか
もはや判別はつかなかった
あれだけ憧れていたハリネズミも
遠く離れればウニと見分けがつかない
それとも、自分の意識がぼんやりして
見間違えたん、だろうか🤔

なんて恥ずかしいんだろう


今回のことで
今までハリネズミに抱いていた憧れという、
下らない感情が
空気の抜けた風船みたいに
ものすごい勢いでぷしゅーと
ぺちゃんこになるのを感じた

たかが、一知見のデータで判断するには時期尚早であるが

ハリネズミに憧れるなんて、なんて自分は愚かだったんだろう

何に産まれたかじゃ無い、どう生きていくのか
その方が何百倍も大事だろう?なぁ、みつき

みつき こころの声

みつきは
テンレックとして、科学者として
自信を持って進むことだ!と仮説を立てた

図らずも、謎のハリネズミへの反骨心も相まって
その後は順調に
潜水艦の修理が進んでいった、
というわけである


ちなみに、師匠はそんなみつきを応援するが如く研究部屋の提供(もともとは、ウニの本しか揃っていなかったが)

修行に顔を出すと、、そこで潜水艦の乗組員であったヤマアラシの嵐山とトガリネズミのMr.トガリに感動の再会を果たしたのであった


………


修理をするのに2年もかかってしまったよ
僕は海が好き
だけど、地上にも僕の大切な仲間がたくさんいる
人生は長くない
だから、僕はここで見たことを仲間に伝えたいし
待っている大切な仲間に会いたいんだよ

みつき

みつきはうみの棘を優しく撫でようとして
刺されてイテッとなりながら、
管足と優しく握手した

うみは、一瞬ドキッとしたが、あ、海のことだよねと思った


そして、みつきにはみつきの生きる場所が
あることにも気づいていた

うみはちょっとだけションボリして
みつきの手から管足をほどいた

うみ、良かったら僕たちと一緒に来ない?
潜水艦には、水槽もつけてあるの
ちょっと小さめで狭いかもしれないけれど
槍ヶ岳さんも誘おうと思ってる
出発は1週間後
良かったら考えておいてね〜

みつき

みつきは忙しいのか、バイバイと手を振ると
またバチバチバチと潜水艦の調整を始めた

行きたい、空を見てみたい…
でも…

うみ こころの声

海は水槽ぐるまを押しながら

海に入ったところでヨイショ、と
車を降りとぼとぼと管足で歩いて行った


夕方、うみは
岩場に戻っていた

今日も海苔が生い茂っている
だが、少し齧ってやめた
なんだか味がしない

どうした、食べないのか?

槍ヶ岳

気づくと、槍ヶ岳さんが瞑想から覚めて

こっちを心配そうに
不思議そうに見ている

そうだ、うみに見せたいものがある

槍ヶ岳

うみの返事を聞かず、槍ヶ岳は歩き始めた
うみがぼんやりしていると、
針が糸を棘に絡めて、
ぐいっと
うみは槍ヶ岳の方に引っ張られて行った

着いたぞ

槍ヶ岳

バーーーーーーーーン!!!

こ、こ、ここは…!

うみ

うみが目を挙げると…


槍ヶ岳とともに
初めにぶつかった門の前に

辿り着いていた

to be cntinued…

(本文:1775文字)

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