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まぼろしのUNI 第16話〜うみのピンチ〜

うーーん、うーーーーん はぁはぁはぁはぁ

うみ

さっきから、何度繰り返しているのだろう

管足を伸ばして、地面をぐっと押してみたの、
だが

うみの棘はびくともせず、
地面から抜ける気配が

ない

こんなとき、槍ヶ岳さんがいたら…

うみ こころの声

糸でグッと引っ張ってくれたに違いない

と、気づいてまた
溢れそうになる涙をグッと堪える

泣いたって仕方ないのだ
それに…


槍ヶ岳の真上に伸びる光の筋の正体

それは、
紛れもなくうみの差し色と同じ色の
糸だった

うみが好きな青い色の
糸は海と同化し、だからサウザンドには
見えなくて、引っかかって怒っていたのだ

上に向かって伸びる一本の糸…
これは、まるで…

蜘蛛の糸

うみと誰か

あ、あれ?

いま、槍ヶ岳さんの方から誰かの
声がしたような…
と思ったが、うみは刺さったまま
身動きが取れないから
振り返ることができない


不味いな、このままでは天敵が来た時に
ガブリとやられてしまう…
と思うのと同時に背中にゾクリとするような
舐め回すような視線を感じた…

ククククク、あいつ、まーるごし
食べちゃお⭐︎

誰?

声の主が遠くからうみが歩くのと
同じくらい、ゆっくりと
近づいてくる気配がする


うみには
見えない角度だったのだが、
その誰かが槍ヶ岳の近くを越えようとした
その時!!

カカカカカ!!!!

きゃぁぁああ!!いった〜い!!
なにするのよ!もうっ

誰か

針しごとは、マッチとハリーにお任せなの〜、なの、なの、なの、よ〜 押さえるのは、われわれまち針の仕事、ですから!

マッチとハリー

マッチとハリー!!

うみは振り返ることが、出来ないが
後ろ手に、マッチとハリーたちの声がした

うみは、ありがとう…と呟くと同時に
また涙を堪えて
冷静に自分の状況を把握した
いまの自分にいったい何が出来るんだろう…

でも…決して諦めない!

うみは、もう一度
管足を岩場にかけて、ぐっと強く押してみたが
やはり、びくともしない…

そしてふと、ひとつ違う方法を思いついた
そうか…もしかしたらこの方法なら…

マッチとハリー!手が空いてる子たち、どうか力を貸して!

うみ

と、うみが大きな声で叫んだが

総動員で、敵を押さえているいま
ぴょこんぴょこんと、来られたのはたった
2人だけだった

ごめんね、ごめんね〜  みんな今ぷるぷるしながら、必死で敵を押さえているなの、なのー
それで、私たち、私たちはどうしたらいい??

マッチとハリー

うみが耳打ちすると

2人はラジャ!ラジャ!と言い、3人で
うみが埋まっている地面を掘り始めた

この人、肉厚でなかなか押さえきれない、なのー、なの…  うーん、うーん

マッチとハリーたち

おだまり!!肉厚とか失礼ね!おたくら海で見たことないわね、海での生き方、分かってないわね!!ふんぬっ!!

わぁ〜!!!!!

マッチとハリーたち

敵が肉厚の肉に力を込めて盛り上げると、
マッチとハリーたちは、ぽぽぽぽぽーっと抜けてしまった

それでもマッチとハリーたちは
何度も敵を押さえに行き、抜ける、と
同じことを繰り返しながら
敵はゆっくりと着実にうみの方に近づいてきていた


その時、ゴウンゴウンと大きな音を立てて
敵よりも大きな黒い影が
向こうの方から近づいて来た

敵より、ずっと速い!!
水煙をあげて、その黒い影は
うみの真上で止まった

きゃあ…!!あれは…何かしら…
く、くわれるーーーー!!
くぅ、もうちょっとだったのに!!
覚えてなさいよ!!

敵は最後に肉厚の肉にふんっ!と力を込めて
マッチとハリーたちを抜くと、
転がれないのだろう
ゆっくりと遠ざかって行った
ようだ


ウィーーーン、ガシッ、ズボッ

大きな影から頑丈な触手が2本
伸び、うみを掴んだと思うと、
地面から引き上げてくれた

この角度でようやく、ものが見える

大きな影はもちろん…

しんかい600!!! みつき、ありがとう
どうしてここが分かったの?

うみ

6500ね!
研究部屋で潜水艦の調整してたら、遠くで、もの凄い泡と水煙と爆発音がした気がして見たら、
門の方だったんだよ 
そのあと、サウザンドが門の方から泳いできて、あの針山、あのウニってブツブツ呟きながら膨らんだり縮んだりしてるから、心配になって来てみたんだよ 間に合って良かった!!

みつき

さぁ、うみ乗って…、話はあとだ

とみつきが言って、うみ、マッチとハリーたちがぴょこんぴょこんと乗り込むと

潜水艦の中には…

to be continued…

(本文:1683文字)

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