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それでも、もう一度人生をつくる

倒産してから、
会社の整理と、弁護士事務所との
往復が続いた。

自宅も整理し、手放した。

家もなくなり、金もなかった。

どうするかと考えて、
妻の実家に世話になることにした。

居候のような生活だった。

再就職は、同業には戻らなかった。
手っ取り早く運転手の仕事を選んだ。

ハイヤーの会社に入り、
二種免許を取って、この道でやっていこうと思った。

でも、現実は甘くなかった。

夜勤の仕事で生活が昼夜逆転し、
体を壊して退職した。

そこからは、運転の仕事を転々とした。

収入も低く、
家族に迷惑をかける生活が続いた。

それでも働き続けて、
今はようやく落ち着いてきた。

もうすぐ還暦になる。

退職金もない。
この先、あと何年働けるのかも分からない。

同じ毎日を繰り返す中で、
ふと思い出すことがあった。

兄がやっていたアパレルのことだった。

もう一度、あの時のものを作れないかと思った。

残っていたのは、当時の写真だけだった。

それをもとに、復活できないかと
考えた。

いまはAIでいろいろできる時代だと知り、試しにやってみた。

形にはなった。

これならいけるかもしれないと
思った。

でも、簡単ではなかった。

昔のやり方は、もう通用しない。
ただ真似をするだけでは続かない。

それでも思っている。

終わらせたままでいいのか?

もう一度、自分の手でつくれないか?

大きなことはできないかもしれない。

でも、ここから少しずつでも、
もう一度つくっていこうと思って
いる。

終わらせた人間が、もう一度つくり始めている。


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