兄が死んだ。次の日から、自分が社長だった。
父親が亡くなったあと、
会社は実の兄が継いでいた。
業績は、何十年も赤字だった。
それでも兄は社長としてやっていた。
私は営業として、その兄を支えていた。
ある日、営業先に向かう途中、
車の中で携帯が鳴った。
車を止めて電話に出ると、
警察からだった。
兄が亡くなったと知らされた。
頭が追いつかなかった。
数日後、兄の遺書を見た。
そこには、整った文章でこう書かれていた。
「会社を閉じるのか、続けるのか。おまえが決めろ」
兄の言葉だった。
正直に思った。
こんな赤字の会社を引き継ぐなんて、
無責任なことはできないと。
でも同時に、
父親の気持ちと、兄の気持ちを考えた。
やらない、という選択はなかった。
ここから、自分が会社を引き継ぐことになった。
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