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谷根千の一箱古本市で見つけた、BLUE NOTEのジャケット集

新しい才能を見抜いた男、アルフレッド・ライオン

BLUE NOTE:ブルーノート」という言葉を見聞きすると、僕の心はちょっと騒ぎます。「BLUE NOTE」とは、1939年にニューヨークで生まれたジャズの代表的なレコードレーベルです。

創立者はドイツ系移民のアルフレッド・ライオンフランシス・ウルフ。新しい才能を見抜くプロデュース力を持ったライオンは、多くの名盤や一流アーティストを世に送り出し、ジャズの歴史に大きな功績を残しました。

とくに、日の目を見ていない新人ミュージシャンや知られていないサイドマンも起用。たとえば、ハンク・モブレーやソニー・ロリンズ、バド・パウエルやソニー・クラークなどは、BLUE NOTEから注目を集めたのです。

スタジオの空気を、ジャケットごと届ける

BLUE NOTEの魅力のひとつは、徹底した音へのこだわり。録音技師ルディ・ヴァン・ゲルダーが録音した音は、まるでスタジオの空気をそのまま切り取ったような臨場感に溢れていました。

もうひとつの魅力は、ジャケットデザインです。創立者のひとりのフランシス・ウルフは写真家だったこともあり、録音中のアーティストの何気ない表情を撮るのに長けていました。それがジャケット写真に使われたのです。

およそ400枚のレコード・ジャケットを手がけたのはハウスデザイナーのリード・マイルス。ウルフの撮影した写真を使い、ジャズが聴こえてくるようなジャケットをつくり上げました。

谷根千で開催された一箱古本市での出会い

12〜3年ほど前に、谷根千エリア(不忍ブックストリート)で開催された「一箱古本市」に出かけました。これは、ダンボール箱一箱程度に、古本を並べて販売するフリーマーケット形式のイベントです。

いま仕事場が千駄木のへび道沿いにあるのも、このときの印象が強かったからです。近くの老人ホームの入り口でも古本市が開かれていました。中上健次の小説を購入した記憶があります。いま思えば、不思議なご縁です。

時々足を運ぶ、根津の上海家庭料理の「海上海(ハイシャンハイ)」や谷中の極小商業施設「HAGISO」もこのとき初めて入りました。「谷根千っておもしろいなあ」と感じましたが、まさか仕事場を構えるとは思いませんでした。

2,000円で手に入れた宝物のような一冊

お昼前から古本市をめぐり、15時ごろにそろそろ帰ろうかと思ったときに、見つけたのが、『BLUE NOTE THE ALBUM COVER ART』。たしか2,000円だったと思います。手に取り、心の中で「おおっ」と声を上げました。

この本は「BLUE NOTE」のアルバムジャケットをまとめた作品集です。日本で出版されたのは1991年、本のサイズはLP盤です。71名のミュージシャンが紹介され、カラー図版233点(うち原寸大51点)という贅沢な本です。

どのページもワクワクします。この見開きに掲載されているのは、左ページには、デジー・リース、ジャッキー・マクリーン、ベビー・フェイス・ウィレット、ジョニー・グリフィン、右ページにはグラント・グリーンです。

ジャケットを眺めながら、好きなジャズを聴く時間

僕は、これまで「BLUE NOTE」から発表された30枚ほどのアルバムを購入し、聴いてきました。どれもジャケットがいいのです。おそらくジャケ買いもあったと思います。

この本を開きながら、好きなジャズを聴く。それだけのことですが、ジャケット写真の奥にある録音風景やミュージシャンの表情を想像しながら音を追うと、いつもの一曲が違って聴こえてくるのです。

今日もこの本を開いて、ジャケットを眺めながらゆっくりと聴いてみようと思います。そういえば、デジー・リース、ベビー・フェイス・ウィレットは聴いたことがないなあ。どんな音だろう。

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