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青く光る舞台装置は、世界を切り離す

先日、生まれて初めてBLUE NOTE TOKYOに行った。
憧れの地は、東京にありながら、まるでどこか異世界に繋がっているかのようだった。

BLUE NOTEの名前を知ったのは、「BLUE GIANT」という映画からだった。
漫画が原作であるが、当時よく通っていた映画館の予告が最初の接点であった。

たった1分足らずの予告は、けたたましいサックスの音を鳴らして、私の目と耳を惹きつけてやまなかった。
当時の私が映画館に赴く理由としては、十分すぎるくらいだった。

劇中に登場していたのはSo Blueという名前だったが、
外観やストーリーからBLUE NOTE TOKYOをモデルにしていることは明らかだった。

ショーの当日、表参道駅から歩いて約10分すると、
映画と同じ外観をした建物が、他の建物の間に行儀よく鎮座しているのが見えた。

重い扉を開けると、そこには歴代のジャズマンの写真が貼られており、
地下へと続く通路は、まるで現実世界をくぐりだして異世界へと続くトンネルかのように思えた。

階段を降りて広い空間に出ると、そこは上品さをまとった空気が流れており、
やや薄暗い照明が、目に見えるものが多すぎる日常生活とは明らかに異なる雰囲気をつくっていた。

受付を済ませて会場に入ると、身なりを整えたスタッフが座席まで案内してくれた。
それはひとつも無駄がなく、流れるかのような完璧な所作で、まるで映画のワンシーンのようだった。

案内された席はアリーナの最前列だった。ドラムが最も近く、ステージは目と鼻の先だった。
この日初めてBLUE NOTEに訪れた私への、ささやかなプレゼントかもしれない。この場を借りてお礼を伝えたい。

座席から撮影した様子

オーダーしたカクテルに口をつけた後、ショーは始まった。
何度も聴いた曲の音が目の前から次々と産まれ出る。
それぞれの楽器が調和しながらも、楽曲が巨大な生き物のように空間をうごめき、支配していた。

ショーの中盤、場の空気が温まったところで、ソロパートを含む曲が披露された。
ピアノ、ギター、ベース、サックス、ドラムーーー全ての楽器が音という音をぶつけ合い、我が我がと先に出ようと互いを押しのけ合った。
アマチュアとして楽器に触ることがあるからこそわかる、プロとしての矜持がそこにはあった。

終演後も楽曲の残響は収まることはなく、まるで自分の肉体はあっても、精神がそこにはないような感覚に陥った。飛び込んだ先の音の海は、決して息苦しくはなく、むしろ心地良さを感じるほどだった。

青く光る舞台装置は、見ている者を静かに別世界へと誘う。
気づけばまた、その招待状を手にしているかもしれない。

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