相田みつをさん "道”
「道」 長い人生にはなあ
どんなに避けようとしても
どうしても通らなければ
ならぬ道 と いうものが
あるんだな
そんなときはその道を
だまって歩くことだな
愚痴や弱音は吐かないでな
黙って歩くんだよ ただ 黙って
涙なんか見せちゃダメだぜ
そしてなあその時なんだよ
人間としての
いのち の 根が
ふかくなるのは
相田みつを 道
この詩は、相田みつをさんの代表作の一つで
"人生に避けられない苦難“と
"その苦難が人を育てる”という真理を
飾らない言葉で表現しています。
一節ずつ考えてみましょう。
長い人生にはなあ どんなに避けようとしても
どうしても通らなければならぬ道というものがあるんだな
人生には、自分では選べない出来事があります。
病気、大切な人との別れ、仕事や家庭の問題など、"なぜ自分が“と思う出来事です。
ここでいう"道“は、成功への道ではなく
避けられない試練を意味しています。
そんなときはその道を だまって歩くことだな 愚痴や弱音は吐かないでな
これは"弱音を吐くな“という精神論ではありません。
本当に苦しい時は、言葉では解決できないことがあります。
その時に必要なのは、大きなことをすることではなく、
今日を一日生きる
一歩だけ前へ進む
それを"だまって歩く“と表現しています。
黙って歩くんだよ ただ黙って 涙なんか見せちゃダメだぜ
この部分は誤解されやすいところです。
"泣くな“という意味ではなく
悲しみに飲み込まれず
前を向く強さを持ちなさい
という励ましでしょう。
実際、涙は流してもいい。
でも涙だけで人生を終わらせるのではなく
また歩き出すことが大切なのです。
そしてなあその時なんだよ 人間としての いのち の 根がふかくなるのは
この一文が、この詩の核心です。
木は、嵐のない場所では根が浅くなります。
しかし強い風や日照りを経験した木ほど、根を深く張ります。
人間も同じで、
苦しみを知った人は、人に優しくなれる
失敗した人は、挑戦する人を応援できる
病気を経験した人は、健康のありがたさを知る
悲しみを経験した人は、人の涙を理解できる
つまり、人間の"根”とは
思いやり
忍耐力
感謝
優しさ
人としての深み
なのです。
