今週のフラクタル27 (-(c^2-3)/(c^2z^3-3z)+1 他)
どうも、108Hassiumです。
今回は$${-\frac{c^2-3}{c^2z^3-3z}+1}$$に関するフラクタル図形をお届けします。
※2024/01/01追記
記事タイトルを含むほぼすべての数式が間違っていたので修正しました。
-(c^2-3)/(c^2z^3-3z)+1


$${-\frac{c^2-3}{c^2z^3-3z}+1}$$という関数は、1→0→∞→1…という発散サイクルを持つ3周期発散関数です。
臨界点は$${\pm\frac{1}{c}}$$ですが、今回は$${z_0=\frac{1}{c}}$$をメインとします。


3周期発散関数の特徴である三つ葉穴があるジュリア集合です。


三つ葉穴の無いジュリア集合です。



以前の記事で「周期発散関数のジュリア集合の見た目が極の位数と関係しているかもしれない」という話をしましたが、発散周期が3以上だったり臨界点が複数あったりすると関係がはっきりしなくなるようです。($${-\frac{c^2-3}{c^2z^3-3z}+1}$$は1位の極しか持ちませんが、上の3つのジュリア集合は位数2以上の極があるときの特徴が出ているように見えます)
※☟極の位数とジュリア集合の見た目の関係について書いた記事




白領域のあるジュリア集合です。



3周期発散関数なのに何故か2周期発散関数のような双葉型の穴があるジュリア集合です。







いつものやつです。
-(c^2-3)/(c^2con(z)^3-3con(z))+1
※$${\text{con}(z)}$$は$${z}$$の複素共役


以前の記事で「$${f(z)}$$が周期発散関数でも、$${f(\text{con}(z))}$$は周期発散関数にならないことがある」という話をしましたが、$${f(z)=-\frac{c^2-3}{c^2z^3-3z}+1}$$のときはちゃんと周期発散性を維持できるようです。
※☟$${f(\text{con}(z))}$$の周期発散性の話をした記事
どうやら発散サイクルの∞以外の値の中に実数でない値が混ざっていると、con関数によって発散サイクルが破壊されてしまうようです。




三つ葉穴はcの値によって現れたり現れなかったりしますが、現れた場合には$${-\frac{c^2-3}{c^2z^3-3z}+1}$$では見られなかった「三つ葉型の接点と双葉型の接点を両方持つ穴」が出現することがあります。(c=-0.41+0.1iの右側がわかりやすいです)



収束領域の配置にcon系関数っぽさが強く出ているジュリア集合です。
※☟con系関数のジュリア集合の特徴の説明がある記事






いつものです。
-(c^2-3)/(c^2B(z)^3-3B(z))+1
※$${B(x+iy)=|x|+i|y|}$$

$${B(z)}$$を含む関数のマンデルブロ集合としては珍しく、点対称な形になりました。
どうも$${f(z)=cg(z)}$$($${g(z)}$$は$${c}$$に依存しない関数)のときは$${f(B(z))}$$のマンデルブロ集合が点対称になるっぽいのですが、今回はこのパターンに当てはまらないので点対称になるのは予想外でした。



一応「1点に穴が3つずつ集まるジュリア集合」はあるようですが、$${-\frac{c^2-3}{c^2z^3-3z}+1}$$のものとはかけ離れた見た目になります。



いかにも「絶対値を含む関数のジュリア集合」っぽい見た目のジュリア集合です。







アレです。
周期発散と穴の形状
3周期発散関数のジュリア集合の穴の構造は、
三つ葉型:3つの穴が1点でつながっている箇所がある
飛び地型:どの2つの穴の間にも別の穴か収束領域があり、点でつながっている穴はない
・・・の2種類しかないというのが今までの記事での定説でした。
ところが、前述の通り$${-\frac{c^2-3}{c^2z^3-3z}+1}$$ではどちらでもない双葉型の穴のあるジュリア集合が見つかってしまいました。

そもそもなぜ3周期発散関数のジュリア集合があの2種類だけだと考えていたのかというと、有理関数のジュリア集合の収束領域の形状と関連付けていたからでした。

3周期のジュリア集合の収束領域が3つ葉型と飛び地型の2種類だから3周期発散関数の穴もそれと同じで2種類なんだろう、と考えていたのでした。
ならあの双葉穴は何なんだと考えていたところ、あるジュリア集合の存在を思い出しました。

※☟この記事の最後の方に出てきます
白領域を取り囲んでいる収束領域をよく見ると、2個の領域が1点でつながった形になっています。
ということは3周期でも2個の収束領域が1点でつながった形のジュリア集合が存在するのではないかと気付き、少し探してみたところ以下のようなジュリア集合が見つかりました。

ということは、3周期発散関数のジュリア集合に双葉型の穴を持つものが存在するのは、有理関数のジュリア集合の収束領域の形状として双葉型というパターンが存在することと関係しているだろう、と考えることができます。
三つ葉型と飛び地型は$${z^2+c}$$のような簡単な関数のジュリア集合でも見られますが、双葉型は遭遇する機会が少なく「ごく一部の関数でしか見られないレアケース」という風に認識していたため、周期発散関数の話題とリンクするのはかなり意外に感じました。
