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【超短編】手紙だけの恋

私には20年、想い続ける人がいる


その人とはずっと、手紙のやりとりをしてきた


この時代に、手紙…。


あれは10歳の夏だった
家は隣で幼馴染だった彼
とても仲良しだった


でも彼は家の都合で
北海道に引っ越ししてしまう。


引っ越しを知ったときは、とても辛かった


でも彼から
「必ず手紙書くから。さちも書いてほしい」
と言われた。


彼が引っ越しをして数日たったころ
約束通り手紙が届いた


嬉しくて私もまた、手紙を書くようになった


あれから20年


年に数通にはなったが
私も手紙を出し続け、彼からも手紙が届いた


現実の私は色々な方と知り合い付き合ったり
夫と知り合い結婚していたけど
手紙の中では全くそんなことは書かずに


たくさんのウソの自分語りを続け
手紙の中の「私」を演じていた


時には楽しそうに
時には悲しそうに
でもそこには真実を書くことはなかった


彼もまた「ずっと1人」と書かれていたが
きっと別の顔があるんだろう。と思っていた


幼かった時から書いてきた手紙だったから
字も少しずつ変わったり
つづる言葉も大人になっていって


心が温かくなるような
言葉もつづるようになった彼


ひそかに彼を想いながら
現実の生活を続ける私


会おうとは思わないし
彼からも1度もそういう言葉はなかった


いつかは終わりにしよう。
と思いながら返事を待ってしまう


この想いはこれからも続くだろう


彼から「終わりにしよう」
と言われない限りは
きっと続けてしまうだろう


終わりにしたい気持ちと
終わらないでほしい想いが
ずっと私の中にあって


会えないからこそ
こんな気持ちを
ずっと持ち続けられるのかもしれない


手紙につづられる言葉だけの関係だからこそ
傷つけることもないし
傷つくこともない


年に数通届く彼からの手紙が
今でも私の心を癒し続けている


これって、片思いなのかな。


最後まで読んで頂きありがとうございます
(この物語はフィクションです😊)


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