3/3セキュリティ対策評価制度を活用して企業価値を高める
皆さんが企業に勤務している場合、PMS(個人情報を適切に保護し運用している組織を認証する制度)やISMS(個人情報を含む営業情報など情報資産を適切に管理運用している組織を認証する制度)制度をご存じでしょう。
セキュリティ対策評価制度は、もっと敷居を低くしたSECURITY ACTIONという制度と組み合わせた仕組みです。
第3章:評価制度を活用して企業価値を高める
第1章では制度の背景と目的、第2章では評価基準やチェックポイントについて詳しく見てきました。
この最終章では、いよいよ評価制度を「取得するだけ」で終わらせず、どうやって“企業価値”につなげていくか? について解説していきます。
評価制度は単なるセキュリティ対策の証明ではなく、「信用力の向上」「営業力の強化」「人材教育の土台」になる強力なツールです。
正しく活用できれば、小さな企業でも大手企業と対等に信頼を勝ち取ることができるのです。
■ 評価制度を「営業武器」として使う
評価制度を取得すると、ロゴマークや証明書など、「見える化」できる要素が増えます。これをうまく活かすことで、次のような対外的アピールが可能になります。
✅ ホームページでの信頼アピール
「SECURITY ACTION ★一つ星取得済み」などの記載をトップページに入れることで、
「この会社はしっかりセキュリティ対策している」という印象を来訪者に与えられます。
✅ 名刺や営業資料に掲載
営業活動で配る資料や名刺に、取得ロゴを印刷しておくだけで、ライバルとの差別化が可能です。
特にITリテラシーが高まっている企業や行政相手の案件では、これが選定理由の1つになることも珍しくありません。
✅ 入札・委託契約での評価対象に
実際に、自治体や大手企業が「評価制度を取得していること」を参加条件としているケースが増加中。
特に、情報系業務の委託やBPO、システム開発の分野では、制度対応が“入場チケット”になることもあるのです。
🔍 例:某自治体の入札条件(抜粋)
「参加企業は、情報セキュリティ対策評価制度(SECURITY ACTIONまたはISMS等)を取得していること。」
■ 社内の意識改革・教育にも有効
評価制度は、外部へのアピールだけでなく、社内の教育や意識改革のツールとしても有効です。
例えば、制度に取り組む中で以下のような活動が生まれます。
セキュリティに関する社内研修や勉強会の開催
新入社員へのルールマニュアルの整備
トラブル対応フローの作成
社員全体へのセキュリティポリシーの共有
これらは、単に制度のために行うものではなく、社員一人ひとりの行動を変える土台になります。
「この制度を通じて、セキュリティリスクに強い組織体質を作っていく」 という姿勢が、最も重要なのです。
■ 継続的改善で企業の成熟度を高める
評価制度は、取得して終わりではなく、定期的に見直し、アップデートしていくことが前提です。
制度を導入したあとも、定期的に以下のような改善を行うことが推奨されます。
📌 1. 社内ルールの見直し
新しい業務フローやツールを導入した際は、それに応じてルールも改訂を。
📌 2. セキュリティ教育の継続
情報漏洩のほとんどはヒューマンエラー。新しい脅威の情報を定期的に共有しよう。
📌 3. インシデント対応訓練
実際に「攻撃されたらどうするか?」を想定したロールプレイング訓練を実施することで、いざという時の初動が変わる。
こうした継続的な活動は、企業の「情報リテラシー力」や「危機管理力」として、外部評価にもつながるのです。
■ 評価制度を組織戦略に組み込む
本質的に評価制度を活かすためには、経営戦略や人材戦略と結びつけることがポイントです。
新規取引の拡大 → 制度を活用した“信頼営業”
人材採用・教育 → 「セキュリティが整っている企業」としての安心感
組織文化の醸成 → 自律的にリスクを考える社員の育成
特に、近年では就職希望者が企業を選ぶ際にも、「社内の情報管理体制」を重視する傾向があります。
制度取得は、“社外からも社内からも選ばれる企業”への第一歩なのです。
■ 制度導入に向けた実践ステップ
最後に、これから制度導入に向けて動き出す方のために、現実的なステップ例を示しておきます。
🔻STEP 1:経営者・責任者が制度の必要性を理解
→ まずはこの本を共有しましょう!
🔻STEP 2:SECURITY ACTIONのサイトにアクセス
→ https://security-action.go.jp/ にアクセスし、自己宣言内容を確認
🔻STEP 3:社内のセキュリティ状況を簡易診断
→ 「5分でできる自社診断」ツールを活用(前章参照)
🔻STEP 4:不足している対策を整備
→ アンチウイルスソフト、バックアップ体制、社員教育などを見直し
🔻STEP 5:自己宣言してロゴマーク取得
→ Webでの申請で完結。申請後すぐにロゴ利用が可能
🔻STEP 6:ホームページや資料に反映
→ 営業資料、名刺、Webサイトなどにロゴを活用
■ 第3章まとめ
セキュリティ対策評価制度は、決して「義務」ではありません。
しかし、導入することで得られる信頼・安心・企業価値の向上は、これからの時代において非常に大きな意味を持ちます。
たとえ小さな企業であっても、セキュリティ意識が高いという事実は、
大企業にも負けない“信用力” となります。
さあ、評価制度を「取得すること」をゴールにせず、
「活用すること」で企業の未来を変えていきましょう。
