空の旅 シロクマ文芸部
「空の旅がね、できるようになったのよ、おばあちゃん!」
魔女のハイスクールから帰宅したルルは目を輝かせて報告した。
「おやまあ、そうかい。箒も正式に認められて名前も決まったんだね」
「そうなの!この子は『コーラル』って名前よ。
「おや、お前よりカッコイイ名前だね。コーラル、ルルを頼んだよ」
コーラルは頭を下げた。
「ねえ、おばあちゃん。だからこの夏は一人で旅に出たいの。いいでしょ?」
「そうだね、ルルも立派な魔女の見習いだからね。いったいどこに行きたいのかい?」
「小さい頃から人間の世界に行きたかったの。だから…」
「まだ、ダメだよ!」
おばあちゃんは怖い顔で言った。
「言ってみただけよ。そんな怖い顔しないでよ」
おばあちゃんの機嫌が直るように、私は成績表を取り出しておばあちゃんに渡した。
おばあちゃんは成績表を開くと直ぐに
「おやまあ、ルル、頑張ったね!」
と言ってくれた。そして隅から隅までしっかりと目を通した。おばあちゃんは
「アタシの孫だもんね」
そう言って私を抱きしめて喜んでくれた。私、頑張って良かったな。
その時、コーラルが報告した。
「ルルさんのお祖父様とご両親、お兄様がこちらに向かわれています」
「速いね、あんたの箒は優秀だ」
そうルルに囁いた。
「えへん」とルル。
二人に褒められてコーラルも嬉しそうだ。
皆が到着したようで南側の壁が観音開きで開く。何と一行は箒ではなく絨毯に乗って現れた。箒達もかしこまって絨毯の隅っこにチョコンと座っている。
「ルル!夏休みだろ!出かけるぞ!」
兄が大声で叫ぶ。
「どこに行くのお兄ちゃん!」
お父さんが説明してくれた。
「今回は箒たちが案内してくれるんだ。どこに行くのか楽しみだろ?」
「ええっ!面白そう!行く行く!あ、その前に紹介するわね。私の箒のコーラルよ、よろしくね」
コーラルは早速他の箒たちに囲まれて嬉しそうだ。
ルルとお婆ちゃんは絨毯に乗り込んだ。人間のように旅支度は必要ない。杖と箒があればすぐに出発できる。
さあ出発!
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いってらっしゃーい❣️
見送るのは私達黒猫六匹。一緒に行かないのかって?
私達はたまにはまったりしたいの。猫だけのお楽しみもあるしね。用ががあれば魔法で呼び出されるし。
ルル、皆さん楽しんでね!
了 922文字
小牧部長の今週のお題『空の旅』から始まるお話です。
よろしくお願いいたします。めい
