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硬骨魚類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(硬骨魚綱から転送)
硬骨魚類
Osteichthyes
生息年代:
後期シルル紀–現世, 425–0 Ma[1]
    
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 顎口上綱 Gnathostomata
綱 : 硬骨魚綱 Osteichthyes
学名
Osteichthyes
Huxley, 1880
シノニム
  • Euteleostomi
和名
硬骨魚類
亜綱

硬骨魚類(こうこつぎょるい、Osteichthyes)は、顎口類に属する脊椎動物の一群である。名前の由来は全身骨格が硬骨でできているため。

定義

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現在大きく2種類の定義で用いられる。

  • A : 古典的には、階層分類における"魚類"の分類群(タクソン)のひとつ。
  • B : 分岐分類学の立場からすると、硬骨魚類 (Osteichthyes) はある単系統群(クレード)に与えられた名称であり、哺乳類や鳥のような四肢動物もすべて硬骨魚類に含まれる。

こうした定義の違いは、用途や思想・学説によって最適な体系が異なるために生じる。

特徴

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サメやエイ(板鰓亜綱)、ギンザメ(全頭亜綱)など、骨格がすべて軟骨でできている軟骨魚類に対して、硬骨魚類の多くは、骨格の大部分が、硬骨と呼ばれる硬い骨からなる(ただし、チョウザメ類のように、軟骨の割合が大きいものもいる)。硬骨には、軟骨の骨化した軟骨性硬骨、結合組織や外皮に由来する膜骨などがある。

骨格のほかにも、硬骨魚類は、楯鱗をもたない、肺やそこから派生した浮き袋をもつといった特徴によっても、軟骨魚類から区別される。肺を獲得した初期の硬骨魚類の祖先は淡水棲であったとみられ、海棲の硬骨魚類はここから二次的に海洋に進出したものである。そのため硬骨魚類の体液の塩分濃度は約0.9%であり、現在の海水の塩分濃度(3.5%程度)よりかなり低い。ちなみに淡水での進化を経験していない軟骨魚類・海棲の無脊椎動物の体液の塩分濃度は、現在の海水の塩分濃度に近い。

従来の定説では、初期の魚類は軟骨であり、それが硬骨に進化していったとされ、軟骨魚に分類されるサメやエイなどは古代の姿を今に残す生きた化石とされる。しかし、顎を持つ生き物全ての祖先に当たる生き物は、硬骨に近い骨を持っており、サメやエイは深海での捕食に特化するために、定説とは逆に硬骨から軟骨に進化したとする学説もある。その説を補強する化石なども発見されている[2][3]。

A, 伝統的分類に基づく硬骨魚類

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脊椎動物

無顎類 (A)

顎口類

軟骨魚類 (B)

硬骨魚類

条鰭類 (C)

肉鰭類

総鰭類 (D)

肺魚類 (E)

四肢動物

両生類

爬虫類

鳥類

哺乳類

上図によれば、硬骨魚類は (C) + (D) +(E) のグループであり側系統群(単系統群から一部の群を除いたグループ)のため、分岐分類学の立場では(無脊椎動物や爬虫類などと同様)生物分類の単位とはされない(後述)。ただし、実用性の観点から、側系統群としての硬骨魚類の分類名もなお使用されている。なお、分岐分類においても「硬骨魚類 (Osteichthyes)」の名称は、四肢動物を含むように再定義した上で使用されている。

分類概略

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硬骨魚類は、肺魚亜綱、総鰭亜綱、腕鰭亜綱、条鰭亜綱の4亜綱に分類される。このうち現生目は、肺魚亜綱にはハイギョ目、総鰭亜綱にはシーラカンス目、腕鰭亜綱にはポリプテルス目だけしかない。

条鰭亜綱は、軟質下綱と新鰭下綱の2下綱に分けられるが、軟質下綱は軟骨上綱チョウザメ目のみが現生である。現在最も繁栄している魚類のグループは、条鰭亜綱の新鰭下綱であり、通常私たちの目にふれる“魚”は、ほとんどがこのグループであると言ってよい。

新鰭下綱は、さらに全骨類と真骨類とに分かれるが、現生する全骨類の魚類はガー目とアミア目のみであり、それ以外のすべての新鰭下綱の魚類は、真骨類に属する。

分類樹

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B, 分岐分類に基づく硬骨魚類

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分岐学は、全ての形質を極力同様に重みづけした上で分岐図を作成し、その各分岐点を分類群として定義する手法である。このため、硬骨魚類の系統が分岐して以降、その子孫は全て硬骨魚類であって、例えば哺乳類が恣意的に硬骨魚から外されることはない。

系統樹

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脊索動物の系統の概略を以下に示す[4]。太字部は全て硬骨魚類ということになる。

脚注

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  1. ↑ Zhao, W.; Zhang, X.; Jia, G.; Shen, Y.; Zhu, M. (2021). “The Silurian-Devonian boundary in East Yunnan (South China) and the minimum constraint for the lungfish-tetrapod split”. Science China Earth Sciences 64 (10): 1784–1797. Bibcode:2021ScChD..64.1784Z. doi:10.1007/s11430-020-9794-8.
  2. ↑ “サメは「生きた化石」ではなかった? 定説覆す化石発見”. AFPBB News. 2014年4月21日. 2014年9月5日閲覧.
  3. ↑ 「人類進化の定説覆す魚類化石、中国で発見」『AFPBB News』2013年9月26日。
  4. ↑ Brazeau, Martin D.; Friedman, Matt (2015-04). “The origin and early phylogenetic history of jawed vertebrates” (英語). Nature 520 (7548): 490–497. doi:10.1038/nature14438. ISSN 1476-4687.

関連項目

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肉鰭類 総鰭類