アイティオピア
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(アイティオピアーから転送)

アイティオピア(アイティオピアー、古希: Αἰθιοπία、羅: Aethiopia)は、古代ギリシア語の地名であり「日焼けした顔の人々の地」を意味する[1][2]。「エチオピア」の語源だが、現代のエチオピアとは必ずしも対応しない。
古代ギリシア・ローマにおいて「アイティオピア人」は黒い肌の民族の総称として使われ、インド人と混同されることもあった[1]。長命族マクロビオイ、無頭人ブレミュエス族、穴居人トローグロデュタイ、犬頭人キュノケパロイが住む地とも伝えられる[1]。
ギリシア神話では、パエトンが太陽神の馬車を暴走させて大地を焦がして以来、アイティオピア人の肌は黒く灼けたという[1]。ケペウスやメムノンの支配地でもあり[1]、叙事詩『アイティオピス』はメムノンを主役とする[3]。ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』では、アイティオピア人は世界の西の果てと東の果てに住み、神々と宴会をしているとされる[4][5]。
ヘロドトス『歴史』によれば、アイティオピアはリビュアの南にあり[6]、食物が無限に湧く平原「太陽の食膳」や、若返りの泉がある、黄金に満ちた楽園だった[7][4][8]。ペルシア王カンビュセスはエジプト征服後にアイティオピアを征服しようとしたが、砂漠で食糧が尽きると、兵士が籤引きにより共食い(食人)を始めたため征服を中止した[6][8]。
『聖書』にも登場する[2][9](女王カンダケのエチオピア人の宦官[1][9]など)。
ヘリオドロスの小説『エチオピア物語(アイティオピカ)』、ピロストラトス『テュアナのアポロニオス伝』にも登場する[10]。
脚注
[編集]- 1 2 3 4 5 6 松原國師「アイティオピアー」『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年、12頁。ISBN 9784876989256。
- 1 2 3 岡倉登志『エチオピアの歴史』明石書店、1999年。ISBN 9784750312064。17-21頁。
- ↑ 角田幸彦「ホメロス作品世界の精神史的考察 新稿」『明治大学教養論集』531、2017年。CRID 1050857534500588672。11頁。
- 1 2 吉田敦彦『謎解きギリシア神話』青土社、2014年。ISBN 9784791768042。42;59-64頁。
- ↑ 『イリアス』1.423-425、『オデュッセイア』1.23-24
- 1 2 松平千秋 訳『世界古典文学全集 第10巻 (ヘロドトス)』筑摩書房、1982年。131-133頁。
- ↑ 中務哲郎. “『エティオピア物語』 とぐろを巻いた蛇[『図書』2024年11月号より] | web岩波”. tanemaki.iwanami.co.jp. 2026年7月9日閲覧。
- 1 2 ヘロドトス『歴史』3.18-25
- 1 2 川嶋章弘 (2026年2月8日). “手引きしてくれる人がなければ”. 横浜指路教会. 2026年7月10日閲覧。
- ↑ ヘリオドロス 作、下田立行 訳 『エティオピア物語 下』岩波書店〈岩波文庫〉、2024年。ISBN 978-4-00-321272-1。295頁(訳者解説)。
関連文献
[編集]- 高知尾仁『表象のエチオピア』悠書館、2006年。ISBN 9784903487045。