技術士 建設部門 必須科目I|出題テーマ分析(R01〜R07)

技術士第二次試験 建設部門 必須科目I(記述式・課題遂行能力)の令和1〜7年度出題テーマを年度別に完全整理。 防災・国土強靱化、担い手確保・生産性、カーボンニュートラル、インフラ老朽化、国土形成、インフラDXの6系統で傾向を分析。令和8年度改訂コンピテンシーを踏まえた出題予想を掲載。

更新 2026.06.10

技術士第二次試験 建設部門の必須科目I(記述式・課題遂行能力)について、令和1〜7年度(R01〜R07)の全出題テーマを年度別に整理しました。必須科目Iは建設部門全体に関わる社会的課題を問い、防災・国土強靱化が最頻出で、担い手確保・カーボンニュートラル・インフラ老朽化・国土形成が繰り返し問われています。令和8年度の出題予想も掲載しています。

試験の設問構成

必須科目I(記述式)の設問構成は以下のとおりです。

設問出題数解答数解答字数答案用紙
I2問(I-1・I-2)1問選択1,800字3枚

I-1・I-2のいずれか1問を選び、次の4つの観点で論述します。

  1. 多面的な観点からの課題の抽出(観点を明記)
  2. 最も重要と考える課題と、その複数の解決策
  3. 解決策に共通して新たに生じうるリスクとその対策
  4. 業務遂行に必要な技術者倫理・社会の持続可能性の観点

年度別 出題テーマ一覧

各年度のI-1・I-2のマクロテーマは以下のとおりです。

年度I-1I-2
R01人口減少・働き手不足(生産性向上)自然災害に対する防災・減災
R02人口減少社会への対応社会インフラの老朽化(建設後50年以上)
R03地球環境問題・低炭素社会災害の激甚化・頻発化(風水害)
R04技術革新・DX(業務・働き方改革)パリ協定・2050カーボンニュートラル
R05大規模地震(関東大震災100年)の防災・減災社会資本の老朽化(インフラメンテナンス)
R06国土形成計画(人口減少・社会経済構造の変化)能登半島地震等の大規模災害(事前防災)
R07持続可能な建設業(地域の守り手・担い手)第5次社会資本整備重点計画

マクロテーマ別の傾向

必須科目Iの出題を、国土交通行政の6系統に分類して傾向を分析します。

防災・国土強靱化(最頻出)

R01〜R07で最も多く出題されているのが防災・国土強靱化です。

出題年度テーマ
R01 I-2自然災害に対する防災・減災
R03 I-2災害の激甚化・頻発化(風水害)
R05 I-1大規模地震(関東大震災100年)の防災・減災
R06 I-2能登半島地震等の大規模災害(事前防災)

風水害と大規模地震が交互に問われ、令和6年能登半島地震(R06 I-2)が直近の重点です。国土強靱化基本計画・流域治水が背景施策です。

詳しい論点キーワード → 防災・減災/国土強靱化の論点キーワード

担い手確保・生産性向上

建設業の構造的課題である担い手確保と生産性向上も頻出です。

出題年度テーマ
R01 I-1人口減少・働き手不足(生産性向上)
R04 I-1技術革新・DX(業務・働き方改革)
R07 I-1持続可能な建設業(地域の守り手・担い手)

R04 I-1はインフラDX・働き方改革とも重なります。2024年問題(時間外労働の上限規制)を背景に、R08でも担い手確保は最有力テーマです。

詳しい論点キーワード → 担い手確保・生産性向上・DXの論点キーワード

カーボンニュートラル・脱炭素

2050カーボンニュートラルを背景とした脱炭素が出題されています。

  • R03 I-1: 地球環境問題・低炭素社会の実現
  • R04 I-2: パリ協定・2050カーボンニュートラル

建設分野のGX(グリーントランスフォーメーション)、インフラの脱炭素化がR08の有力候補です。

詳しい論点キーワード → 低炭素社会・環境保全の論点キーワード

インフラ老朽化・維持管理(アセットマネジメント)

高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化対策が問われています。

  • R02 I-2: 社会インフラの老朽化(建設後50年以上)
  • R05 I-2: 社会資本の老朽化(インフラメンテナンス)

人口減少下での持続可能なインフラメンテナンス、地域インフラ群再生戦略マネジメントがR08の有力候補です。

詳しい論点キーワード → インフラ維持管理・更新の論点キーワード

国土形成・地域づくり

人口減少・社会経済構造の変化を踏まえた国土・地域づくりも出題されています。

  • R02 I-1: 人口減少社会への対応
  • R06 I-1: 国土形成計画(社会経済構造の変化への対応)
  • R07 I-2: 第5次社会資本整備重点計画

新たな国土形成計画、デジタルとリアルの融合(デジタル田園都市国家構想)が背景です。

詳しい論点キーワード → 持続可能で活力ある地域づくりの論点キーワード社会資本整備の論点キーワード

インフラDX

データ・デジタル技術の活用は単独テーマとしても、各テーマの解決策としても頻出です。

  • R04 I-1: 技術革新・DX(業務そのものの変革)

i-Construction2.0、BIM/CIM、インフラDXは、防災・担い手・生産性のいずれの設問でも解決策の柱になります。

詳しい論点キーワード → 担い手確保・生産性向上・DXの論点キーワード

令和8年度(R08)の出題予想

改訂コンピテンシーとの関係

令和8年度からコンピテンシーが改訂され、以下の4点が新たに明文化されました。

  • データ・情報技術の活用(問題解決)
  • 多角的な視点とステークホルダーへの配慮(問題解決・コミュニケーション)
  • 包摂的な協働(コミュニケーション)
  • 持続可能な成果と文化的価値の尊重(技術者倫理)

必須科目Iは社会の持続可能性と技術者倫理を直接問う設問のため、改訂コンピテンシーの影響を最も受けます。詳細: 技術士 コンピテンシー改訂 令和8年度|新旧対照と二次試験への影響

予想テーマ(6系統)

マクロ系統予想テーマ
防災・国土強靱化能登半島地震を踏まえた事前防災・国土強靱化、流域治水
担い手確保・生産性2024年問題以降の担い手確保、働き方改革、i-Construction2.0
カーボンニュートラル建設分野のGX・脱炭素、インフラの省CO2
インフラ老朽化・AM地域インフラ群再生戦略マネジメント、持続可能なメンテナンス
国土形成・地域づくり新たな国土形成計画、デジタル田園都市国家構想
インフラDXデータ・デジタル技術を横断的に活用した課題解決

模範解答集(R03〜R07 完全収録)

ここまで整理した出題テーマについて、R03〜R07 の模範解答を note 有料マガジンで公開予定です。

必須科目I(I-1・I-2)について、その年度に出題された両設問の解答を収録。元・地方自治体土木職(発注者)の視点で、問い分解 → 多面的論点の絞り込み →「課題抽出 → 解決策 → リスク → 技術者倫理・社会持続性」の骨格でフル解答します。

note 限定建設部門2次|必須I 模範解答集R03〜R07+R8予想6テーマ(各A/B案2バージョン)の全11記事。必須科目I を発注者視点でフル解答。notenote で詳しく見る

よくある質問

この記事に関する Q&A

  • 技術士 建設部門 必須科目Iはどのような形式ですか?

    必須科目Iは記述式で、I-1・I-2の2問が出題され、そのうち1問を選択して答案用紙3枚(1,800字)で解答します。建設部門全体に関わる社会的課題について、(1)多面的な課題抽出 (2)最重要課題の解決策 (3)新たに生じるリスクと対策 (4)技術者倫理・社会の持続可能性の観点を問う、課題遂行能力を評価する設問です。

  • 必須科目Iではどのようなテーマが頻出ですか?

    防災・国土強靱化(自然災害への事前防災)が令和1〜7年度で最頻出です。次いで担い手確保・生産性向上、カーボンニュートラル・脱炭素、インフラ老朽化・維持管理、国土形成・地域づくり、インフラDXが繰り返し出題されています。国土交通省の重点施策と白書がテーマの源泉です。

  • 令和8年度の必須科目Iで新しく問われる内容はありますか?

    令和8年度からコンピテンシーが改訂され、データ活用・ステークホルダー合意・持続可能な成果・文化的価値の尊重が明文化されました。必須科目Iでは能登半島地震を踏まえた事前防災・国土強靱化、2024年問題以降の担い手確保、GX・カーボンニュートラル、地域インフラ群再生戦略マネジメントが引き続き中心テーマになると予想されます。

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