もっと知りたい!自転車でしか行けない台湾

自転車カルチャーが深く根付く台湾には、美しい海岸線を走る本格的なサイクリングから、シェアサイクルでの身軽な街歩きまで、走る環境が万全に整っている。路地裏の絶品グルメ、最新カルチャースポット、充実のレンタサイクル事情まで。本誌では紹介しきれなかった、さらにディープな台湾の素顔を、編集者・山田さとみが案内。

photo: Elaine Lam / text & edit: Satomi Yamada

世界自転車デーって知ってる?

美しい海岸線を走る自転車の祭典

6月3日は「世界自転車デー」。自転車が環境に優しく持続可能な乗り物であることを世界で共有し、利用を呼びかけるために国連が定めた記念日だ。自転車カルチャーが深く根付く台湾では、この日に合わせて盛大なイベントが開催されている。

今年の舞台となったのは、台湾北部の美しい海岸線。サイクリストだけでなくサーファーにも人気のスポット「中角湾」でオープニングセレモニーが行われ、そこから白沙湾方面へ向かう全長約18kmのサイクリングイベントがスタートした。

海沿いに整備されたサイクリングロードは、潮風を感じながら走るには絶好のロケーション。海の上には気持ちよさそうに波に乗るサーファーの姿もあり、陸と海でそれぞれのスポーツを楽しむ清々しい光景が広がっていた。

さらに今年の年末には、新たな台湾一周ルート「環島2号線」が完成する。全長約1,020kmにおよぶこのルートは、自転車専用レーンの割合が大幅に増え、各地の景勝地や文化スポットを快適にめぐることができるようになるという。

進化を続ける台湾のサイクリングカルチャーには、何度でも台湾に行きたくなってしまう魅力が満載だ。

台湾を一周できる「環島1号線」

「しまなみ海道」とも縁深い、日台の温かい絆

台湾には、島を自転車で一周できるサイクリングルート、通称「環島1号線」が整備されている。台北・松山駅を起点とする全長約1,000kmの道は、路面に引かれた目印の青い線から「ブルーライン」とも呼ばれている。実はこの道、日本の「しまなみ海道」と深い縁があるのだ。

2012年、愛媛県の中村時広知事が台湾を訪問し、自転車ブランド〈GIANT〉の創業者である劉金標氏と面会したとき、知事は、台湾の国を挙げた熱狂的な自転車文化や充実したサポート体制に大きな衝撃を受け、自県の環境づくりに活かしたという。一方、台湾は旅行者が迷わず走れるよう、しまなみ発祥のナビゲーション「ブルーライン」を逆輸入した。

また、四国一周も台湾と同じ約1,000km。さらに台湾の起点と同じ「松山」という名を持つ縁から、愛媛県にも「ゼロポイント」が設置された。本州側の起点・尾道には台湾が誇る〈GIANT〉の店舗があり、手軽にレンタサイクルが楽しめるようになっている。

こうした交流の根底には、2011年の東日本大震災をきっかけにした信頼関係がある。多額の義援金に加え、〈GIANT〉は悪路に強い特別仕様のマウンテンバイク1,000台を急遽製造。工具を同梱して無償提供し、被災地で暮らす人たちを支えてくれたのだ。

自転車でめぐる台北・台中の街

リアルに行きたい台北・台中の注目スポット

サイクリングだけでなく、街中も自転車でめぐりたい。電車やバスでは行きづらい場所まで、気の向くままに足を延ばすことができる。

ここでは、本誌で紹介しきれなかった台北や台中のスポットをピックアップ。ローカルな絶品グルメや注目のカルチャースポット、お土産を買いたいお店など。自転車という身軽なツールがあるからこそ出会える、街のリアルな魅力を紹介。

気軽に借りられる本格派スポーツバイク

ちょっといい自転車があれば、旅はさらに自由に。

スポーツバイクに乗るだけで、旅先での体験は驚くほど変わる。軽やかに走れるから自然と移動距離が延びて、行動範囲がグッと広がるのだ。

台湾では、本格的なスポーツバイクのレンタルが気軽にできる。たとえば、イギリス発祥のサイクルウェアブランド〈Rapha〉の台北店では、クラブ会員向けに〈FACTOR〉の高級ロードバイクをレンタルしているだけでなく、店舗を拠点としたサイクリングイベントも定期的に開催している。土地勘がなくても、現地の人たちと一緒にローカルなルートへ繰り出せるのが魅力だ。特に水曜日に開催されるグループライドは、会員でなくても誰でも気軽に参加できる。

そして、台湾の自転車カルチャーを語る上で欠かせないのが、やはり〈GIANT〉。ウェブサイトから全国の店舗を検索して、簡単にレンタルの予約ができる。

また、〈GIANT ADVENTURE〉が企画するサイクリングツアーも見逃せない。こちらもウェブサイトから希望の日程やエリアに合うツアーを調べ、手軽に申し込むことができる。日帰りのカジュアルなライドから、数日間かけて走破する本格的なチャレンジまで、選択肢は幅広い。ツアーには専用のサポートカーが伴走し、荷物の運搬やトラブル対応をしてくれるなど、旅行者でも安心して参加できる万全の体制が整っている。

シェアサイクル「YouBike」で自由な旅を

台北なら最初の30分無料。賢く使い分ける、最強の旅の味方。

ちょっとした街中の移動なら、台湾全土の都市部に普及するシェアサイクル「YouBike」が最強の足になる。通常の自転車と電動アシスト付きの2種類があり、台北市ではなんと最初の30分間が無料で利用できるから、使わない手はない。

本格的なロードバイクを借りるほどではないという人はもちろん、シチュエーションに応じた使い分けにも重宝する。たとえば、ゆっくり食事をするから長時間駐輪しておくのが不安なとき。「YouBike」なら目的地の近くのポートでサクッと返却できるので、高価な自転車の盗難を心配することなくお店に入ることができる。あるいは、お酒を飲みに行くとき。行きだけ利用して、帰りはタクシーなどを使えば、飲酒運転を気にすることなく心置きなくお酒を楽しめる。

「少しだけYouBike」という賢明な使い方をすれば、台湾の旅はさらに自由で身軽になる。

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