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ダーウィンの呪い (講談社現代新書 2727)
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第一線の進化学者で、進化学の歴史に詳しい著者は、ダーウィンが独創した進化論は、期せずして3つの「呪い」を生み出したと分析する。「進歩せよ」を意味する〈進化せよ〉、「生き残りたければ、努力して闘いに勝て」を意味する〈生存闘争と適者生存〉、そして「この規範は人間社会も支配する自然の法則だから、不満を言ったり逆らったりしても無駄だ」を意味する、〈ダーウィンもそう言っている〉である。順に、「進化の呪い」「闘争の呪い」「ダーウィンの呪い」である。
本来、方向性がなく、中立的な進化が、なぜひたすら「進歩」が続くと信じられるようになったのか。ダーウィンとその理解者、そしてその志を継いだ後継者たちが、いかにして3つの呪いにかけられていったのか。稀代の書き手として注目される著者が、進化論が生み出した「迷宮」の謎に挑む。
第一章 進化と進歩
第二章 美しい仮説と醜い事実
第三章 灰色人
第四章 強い者ではなく助け合う者
第五章 実験の進化学
第六章 われても末に
第七章 人類の輝かしい進歩
第八章 人間改良
第九章 やさしい科学
第十章 悪魔の目覚め
第十一章 自由と正義のパラドクス
第十二章 無限の姿
- Print length352 pages
- LanguageJapanese
- Publisher講談社
- Publication dateNovember 16, 2023
- Dimensions4.17 x 0.67 x 6.85 inches
- ISBN-104065336910
- ISBN-13978-4065336915
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About the Author
Product Details
- Publisher : 講談社
- Publication date : November 16, 2023
- Language : Japanese
- Print length : 352 pages
- ISBN-10 : 4065336910
- ISBN-13 : 978-4065336915
- Item Weight : 1 g
- Dimensions : 4.17 x 0.67 x 6.85 inches
- Amazon Bestseller: #87,664 in Japanese Books (See Top 100 in Japanese Books)
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実は“ダーウィンの”呪いではない!
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- 5 out of 5 stars
進化や科学と道徳の関係について知れる本
Reviewed in Japan on March 27, 2026フィッシャーが優生学に傾倒していたのは有名だと思うけど、ドブジャンスキーなどもそういった立場をとっていたのは初めて知った。進化に関する学派の話も含めて大変勉強になりました。また、最後の締めもよかったです。
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進化論のサイエンスミステリーという名の社会史研究
Reviewed in Japan on February 18, 2024ダーウィンの有名な「進化論」が科学に革命を起こした一方で3つの呪いを生み出したことを、以後の世界の行く末を描きながら説明していく著。
①「進歩せよ」を意味する「進化せよ」、②「生き残りたければ、努力して戦いに勝て」を意味する「生存闘争と適者生存」、③自然の事実を社会規範に導く「ダーウィンがそう言っている」という言説
。以上の呪いは一般人だけでなく知識人や生物進化論の専門家までもが陥った罠で、優生学やナチスの悲劇につながったおぞましい歴史がある。
内容的に一般読者にとっては難しいと感じられる専門用語が出てくる箇所があり、文体もやや硬めですらすらと読み進められるものではないので分量を考えると読破するのに時間は掛かるかもしれない。とはいえ、進化論の社会史的な歴史叙述としては非常に面白いと思った。
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一度じっくり考えてみたい「優生学」的思考に陥ってはいないか。進化論の曲解。
Reviewed in Japan on November 25, 2025非常に良い一般書になっている。
ダーウインは、生命の誕生・進化は、創造者(神)によるものではなく、また、その進化は長い年月をかけての、無目的、価値判断なく、いろんな環境の変化に対応して、それに合った少しの変異・変化の積み重ねにより、徐々に生命は進化し、枝分かれ(分化)し、子孫を残し、生命をつないできたとした。
そう変化してきたという事実を述べているのであり、「生物進化」は、我々がつい考えてしまう「進化」=「発展、発達、進歩」という一方向のある意味を含んでいない。遺伝する性質の世代を超えた変化の、目的、目標もない(退化含む)、それは「自然選択」によって生じるとしているだけなのであるが。
ところが、これは、受け取るもの(研究者など)によって、いろんな解釈がされ、また利用され来た事実があり、「進化の呪い(進歩せよ)」「闘争の呪い(生存競争と適者生存・弱肉強食)」「ダーウインの呪い(これは自然の事実だから、人間の社会にもそのまま適用でき、不満を言うな。劣っている奴は、いなくなるのが当然だ)」と言うような、きわめて恣意的な影響・考え・現象が発生し、すさまじい社会的に変質した影響が発生した。
「進化論」の解釈について、ダーウインは「変異・変化の長い年月の漸進的な積み重ねにより、その環境にあった一方向でもなく、自然選択であり、ただ無目標な進化である」としたが、それを支持する学者と、「大きな突然変異によるものであり、また、各種はそれぞれ違うものから変異・進化してきた」とする見解との、熾烈な闘争のさまが、この書の前半に書かれている。
そして、第7章以下で、ガラッと変わって、その「生物進化・自然選択」を、人間の価値観に合わせて「強いもの、優秀な者、実力があるもの、白人人種が上」と言うような捉え方が派生し「弱いもの、無知蒙昧なもの、能力のないもの、白人以外の形質も劣ったもの」と言う「価値観」を持ち込み、
実際に、それを排除・抹殺する「優生学」が現実に多くの科学者により支持され、それが行われていく。驚くべき理論が根拠もなく、優劣で区別・差別し、それが支持されていくさまが描かれている。それが、ヒトラーが行った「障碍者・劣っている人種」と見る存在を「隔離(子孫を残さない措置・性交渉ができない)、不妊手術、それを理由としての安楽死推進、ホローコースト」につながっていくが、その過程では、いろんな国(アメリカやイギリスも含む)のエリート(学者や研究者、政治家、白人)が賛同し、推進していく。
しかし、ヒトラーの大虐殺の後は、コロッと変わったが、しかし、そういう意識は根源的に潜在しており、今また、その芽がどんどん育ち、「排外主義、白人至上主義、キリスト教至上主義、心身障碍者や老人迷惑・排除」が、一般の人からも「鎌首」を持ち上げてきている。
彼らは、そのことが「善」あるいは「利益」であり、「邪魔者は消せ」とがなり立てるように「人間性」を失っていることに気づかず、はき違えた根拠不明の感情に訴えかけられる論に無批判に飛びつき、それをそういう言動をする者がいる。「ダーウインの呪い(はき違いによる観念)」は、その本人が「善意、正しい」と思う独善的な差別・排外主義をもたらしているが、それは「恐怖」の上に成り立っている「善・正しい」と思い込んでいるゆえ、その根は深いという。
ややもすると、その罠・呪いに落ち込んでいるやもしれないと警告する。それは、右であろうと左であろうと、非常に原理主義的・絶対主義に偏る場合、それは同根の現象を顕現しやすいとしている。
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優生学は永遠に継続する
Reviewed in Japan on March 5, 2025ダーウィンの進化論即ち「適者生存」を後世の人は色々な意味に捉え、その結果忌まわしい優生学まで導いてしまった。そして現在は?という「進化論」論の詳しい歴史的経緯を表した本。
優生学を推進した生物学者達もそうだが、その時代その環境の中で彼ら生物学者達は真摯な気持ちで人類の将来を心配していたことがこの本で良く解る。
ダーウィンの進化論の要諦は、進化はデタラメ(ランダム)に進行するということであり、「適者=良きもの」ではないと云うことにある。
優生学は、人間の向上心、即ち、より良きものに変わっていこうとする気持ち現れであり、ダーウィンの考える進化とは異なる。しかし、人間(ヒューマン)の気持ちとしては、デタラメな将来を待つよりも、より良き将来を目指すほうがマトモである。そこに根深い問題がある。優生学的な試みは永遠に続くだろう。
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歴史はまた繰り返すのか?
Reviewed in Japan on May 7, 2026- ダーウィンの進化論が優生学的な思想にどのように結びつくのかについて、多様な知見をもとに緻密にまとめられた書籍だった。学びが多くて、何度か読み直す必要があるなと感じた。
- 興味深かったのは、ダーウィンの言葉としてよく引用される「変化するものが最も強い」の語源である。これはアナキズムの巨匠であるクロポトキンが元になっているのかもしれないと言う指摘にびっくりした。相互扶助論の知識がこの言葉を生み出したらしい。
- 他にも現代統計学を生み出した数々の巨匠たちが優生学に関連した主張を強く押し進めていたと言う点にもびっくりした。統計学は進化論を理解するために生まれたものであると言う知識はあったが、まさかここまではっきり優生学を社会に浸透させるべきだと考えていたとはびっくりだった。
- 自然の流れがそうであるから、人間もそうするべきだと言う論法は、誤謬を生み出しやすい。著者の指摘にはなるほどな得だった。
- ダーウィンが言ってるから間違いない,のように安直に考えるのも本当に問題なのだなと思う。生成AIを使ってクリティカルシンキング能力が著しく落ちる状況に現代の社会は直面しているようにも思うのだけれども、AIが言っているからそうすべきだと言うような認知的判断がなされるようになるのであれば、歴史はまた繰り返すことになるのかもしれないなと改めて感じた次第だ。
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ダーウィンのそして進化の悪用に対し警告の書
Reviewed in Japan on February 11, 2025進化を進歩と混同する言説が多い中、これは大いなる警告の書である。
強く推薦する。
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楽しめました。少しコメントします。
Reviewed in Japan on February 23, 2024優生学と遺伝子操作に関する考察が主な内容です。歴史的な背景もしっかり記述されていて、興味深い内容でした。著者に感謝です。以下、気になった点について少しコメントします。
■遺伝性ヒトゲノム編集の安全性
合理的な代替案がない場合であっても、将来生まれる子供の重篤な病気や障碍のリスクを抑えるためヒトゲノム編集を行うことは、現時点では生殖細胞編集の(当該生殖細胞から生まれた人のみならず人類への)安全性が評価できないため行うべきではない、という著者の意見(だと思いますが、理解が違っていたらすみません)は穏当なスタンスだと思います。
ところで、生殖細胞が突然変異を起こす要因として、現代の生活環境に特有の諸々の環境汚染物質等の影響はどの程度あるのか。それが、遺伝性ヒトゲノム編集による操作に匹敵あるいは凌駕するレベルで変異を起こすものなのか(よく理解してないのですが)気になるところです。もし、環境汚染物質等によって、上記の限定されたゲノム編集レベルの変異が起こるのが珍しいことではないとしたら、ゲノム編集の負の影響だけ特別視する理由はないように思うので。。
■多様性という規範
著者は、どうなるかわからない未来こそ、多様性の尊重という現代の価値規範の下で私たちが望む未来であろう。と書いています。しかしながら、そもそも未来はわからない(正確に予想できないし、試行錯誤しながら進むしかない)ものですし、多様性を尊重することは、生態系の崩壊の回避(共生できる地球環境の維持)を目指す、つまり最悪の未来を避けるという方向性を持った価値規範です。なので、私たちは、どうなるかわからない未来を望んでいる、というのは違和感がありました。
ちなみに、多様性の尊重は、生態系の崩壊の回避と共に、差別をしないという規範でもあり、両方とも<共生>の規範ということができる。言い方を変えると、有限な地球環境の中で共生して行くという方向性を持った価値規範が、多様性の尊重、という理解です。
久永公紀『意思決定のトリック』・『宮沢賢治の問題群』
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「進化」という言葉が持つ魔力を考えたい
Reviewed in Japan on February 25, 2024進化倫理学を学ぶ過程で参考書籍として購入
近年では「○○の進化論」といった言葉が、生物学の枠組みを飛び越えてハウツー本などで使われているが。その危険性を考えたい。
どうしても「進化」というと、良い方向に歩んでいるような印象を受けるが、そもそも元は「転成(transmutation)」という言葉が使われていた。歴史の中でどう間違って使われてしまったのかという実例とともに進化論の原点を見直す本書は、決して専門的な範囲に限らず、現代を生きる多くの人に参考になる書籍であると考える。
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