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空海論/仏教論
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ミシェル・セールの研究者としてフランス哲学、現代思想を探究してきた著者による、構造的存在論による仏教論の試み。ウッダーラカ・アールニ、プラトン、ナーガールジュナからレヴィ=ストロース、そして現代哲学までを総動員しながら、仏教を思考する本書は、まさに西洋哲学・思想と東洋哲学・思想の交差であり、哲学と仏教の対話、その試みの最前線である。
前著『今日のアニミズム』(文化人類学者・奥野克巳との共著)ではテトラレンマをはじめとする仏教の思想と論理に着目し、トライコトミーという原理が提唱されたが、本書では初期仏教から空海の密教思想に至るまで、さらにその探究の射程を広げていく。
東西の人類による知的営為の2500年にわたる歴史を遡行しながら、仏教が見いだした画期とは何だったのかを問いかけ、とりわけ難解とされる空海の理論的テキスト『吽字義』の精読を通じて、現代哲学としての空海を描き出す。
第一部には上七軒文庫で開催・配信された講義「二辺を離れる」(聞き手:師茂樹、亀山隆彦)を加筆修正した「上七軒講義」を掲載、第二部には、著者渾身の書き下ろしである空海『吽字義』に関する論考を収録。
【目次】
序
第一部 二辺を離れるーー上七軒講義(聞き手:師茂樹、亀山隆彦)
第二部 『吽字義』考
- 本の長さ264ページ
- 出版社以文社
- 発売日2023/4/21
- 寸法2 x 13 x 18.8 cm
- ISBN-104753103749
- ISBN-13978-4753103744
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商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : 以文社
- 発売日 : 2023/4/21
- 本の長さ : 264ページ
- ISBN-10 : 4753103749
- ISBN-13 : 978-4753103744
- 商品の重量 : 360 g
- 寸法 : 2 x 13 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 325,358位 (本の売れ筋ランキングを見る)
- 仏教学 - 341位
- カスタマーレビュー:
著者について

東洋大学総合情報学部教授。現代フランス哲学、情報創造論専攻。名古屋大学博士後期課程、情報科学研究科満期退学。博士(学術)。ミシェル・セールの思想を掘り下げ、セールの影響の強いピエール・レヴィ、ブリュノ・ラトゥールらの動向も意識しつつ、ポスト・ポスト構造主義の理論を独自に模索する。
カスタマーレビュー
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日本からのトップレビュー
- 星5つ中5つ
衝撃。哲学に興味がある人には必読の書。
2023年9月8日に日本でレビュー済み例えばWindowsに慣れている人がMacを使うと「あれ?右クリックがない!」とか「え?コマンドキー?」とか基本的なところでつまづいて、知っているソフトなのに使えないということがあります。西洋哲学を学ぶ時にも似たような事があって、「物事のあり方」に対する素朴な理解の仕方が異なっている為に、暗黙の前提が分からず1行目から何を言ってるのか分からないということがよくあります。
そういう感覚の違いがどこからくるのか、西洋ではあまり語られないけれど、我々日本人の判断はどのような論理的合理性を持って世界の中に位置づいているのかということをこの本は見事に解き明かしてくれているように思います。
西洋哲学を学ぶ時によくありがちなのは、全く分からないので一回自分の常識的な感覚を全て捨てて、とにかく「この人はそう思うのね」と受け入れていって、全ての物事を西洋感覚で捉え直してから初めてそれらの論理関係について考えられるようになるけれど、元々の日本人的捉え方との関係はさっぱり分からないという状況です。
この本で日本と西洋の捉え方の違いをまず理解しておくと、西洋哲学を読む時にも彼らの発見の勘所がよくわかるようになり、また日本文化的な物事の捉え方の普遍性や特殊性もよく理解できるのではないかと思います。
世界の中で日本文化から生まれる料理やアニメやアート、スポーツ等の実践は驚くべきほど特殊なのに日本人と同じように「良い物」として受け入れられる普遍的な価値を備えています。そうした現象がどこから来るのかということにも、この本は大きな示唆を与えていると思います。
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ガッカリ
2023年5月21日に日本でレビュー済みわかってた事の裏付けのよう。
9人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中5つ
古代に未来を尋ねる
2023年6月22日に日本でレビュー済み「初期仏教から密教までの哲学の初源のあり方を、現在考えられるあらゆる方法を駆使して読み解く」ことが、この高雅で濃密な一冊の「あてど」である。
最初に軽く著者からの挨拶があったのちに、前半部の幕があがる。
前半は仏教学者の師茂樹、亀山隆彦と著者との鼎談である。その談論風発の場の末尾に、ちょこんと私たちは列座することになる。
ここでは、著者の前作『今日のアニミズム』において、かなり抽象的かつミニマムな形で示された二項対立の調停方法「トライコトミー」以降、著者がどのような歩みでその問題を捉え返し、深めて行ったのかが、豊富な引用体系を通して語られていく。清水ファンにとっては「最新号」のような、渇きを癒すがぶ飲み感が楽しいし、きっと「初体験」の方も、ここで語られていることの深さと広さと速さには、瞠目を禁じ得ないだろう。
後期プラトンと龍樹が同じテーブルにつき、唯識とANT(Actor-Network Theory)が手をつなぐ。レヴィ=ストロースを通してエンペドクレスが読み解かれ、インド論理学とパースが妍を競う。絢爛たる文化の濁流に溺れそうになりながらも、私たちはその先で、気づけば人類が数千年のスパンで考えてきたことの本体に導かれていく。
後半は書き下ろしの空海『吽字義』の読み解きである。『吽字義』を「光のこぼれる深い森」と形容する著者の手引きにしたがって、私たちはこの密教の宇宙に踏み入っていくことになる。
空海ほど自らの世界観を構造的に説き起こした古代の思想家はいない、と著者は語る。その彼の著作の中でも最も難解とされる『吽字義』は、空海が、「吽」の一字に自らの複雑な思索が織りなした構造全てを畳み込み、さらにその一字がそのまま、仏教全体を読み解く鍵になっている、というものだ。しかし、そのあまりに高度な圧縮と迅速のためか、その真意をロジカルに読み解くことは、これまで非常な困難であった。
著者はそれを、後期プラトン、ブッダ、龍樹、世親、法蔵に吉蔵、チャーンドラキールティ、さらにはヤコブソンにレヴィ=ストロースまでを総動員して、空海のための読解格子を作り上げ、一つの論理も文章も飛ばすことなく、徹底的に読み解いてみせる。1200年読み解かれることのなかった天才の謎めいたテクストの前に、私たちは著者とともに正対し、著者がそれを悠然としかし隙間なく絵解きしていく現場を、つまびらかに目撃していく。空海という空前絶後の知性の透徹と美文が、目の前でするするとほどけ、かたちを成して意味をまとい、私たちの前に立ち上がってくるさまは、まさに神技もかくやと思われる、本書の絶巓である。
この一冊の出現によって、私たちは空海という日本の偉大なる祖師と真の意味で相見えるステージにようやく立っただけではなく、仏教という人類の叡智の遍歴と苦悶を、今に通じる言葉で、ロジカルに理解することができるようになったといえよう。さらに言えば、この一冊に示された方法論を使えば、私たちはきっとさらに多くの「未解読叡智(undeciphered wisdom)」へもアクセスできるだろうし、「来るべき叡智(forthcoming wisdom)」も、おそらくその方角からやってくるはずなのだ。
森ナナさんの彩墨も、偉容を飾って豪快に漲っている。
知の躍進を歓びたい。
23人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください













