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文化系のための野球入門 「野球部はクソ」を解剖する (光文社新書 1352)
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大谷翔平ら日本人メジャーリーガーの活躍がテレビのニュースを埋め尽くす一方、インターネットやSNSの世界では「野球部はクソ」という感覚が加速している――。この「ねじれ」はいかにして生まれたのか?もともと本好き、映画好きの〈文化系〉ながら中高大と野球部で〈体育会系〉の経験を重ねた著者が、社会学、人類学、歴史学、文化論を縦横に往復しながら、日本人と野球の関係を描き直す。
なぜか戦後から色濃くなった武士道精神、インターネットで嫌われる〈体育会系〉としての野球部、甲子園に残り続ける朝日新聞のパターナリズム、女子マネージャーの役割と女子野球の歴史に見るジェンダー、ニュージャーナリズムが影響する「Number文学」の問題点、大河ドラマ『いだてん』に登場した「天狗倶楽部」の革新性――。この国で避けては通れない「野球」という巨大文化の全体像を、今までにない様々な論点を網羅しながら描き出す一作。
◎目次◎
はじめに
第1章 〈体育会系〉としての日本の野球文化
マジョリティとしての野球と〈体育会系〉/女子マネージャーは性差別? /個人主義と集団主義――『アルプススタンドのはしの方』/〈体育会系〉という進学・就職の裏ルート/AKB48と「青春の燃焼」/〈体育会系〉〈文化系〉論が見えなくしたもの
第2章 現代の〈体育会系〉はどうなっているのか?
旧来の〈体育会系〉はもういない? /企業から評価される『もしドラ』的マネージャー/自然科学系へシフトする体育会系/ノンエリート体育会系の出現と「階層」の問題/「文武両道」の不在と企業スポーツ/「戦後民主主義」「企業社会」で過剰に活用されてきた野球/高校野球「女人禁制」の実相/運動から疎外される「スポーツをささえる人」/「ネタ」としての暴力と坊主頭/「裾野」を切り捨てる野球界/神宮外苑再開発で加速する「スポーツの分業」/「する・みる・ささえる」のいびつな関係
第3章 アメリカの「創られた野球神話」
虚構の上に成り立つアメリカ野球創生記/野球の起源は「イギリスの牛飼いの女性」/バット・アンド・ボール・ゲームとフットボール/イギリスのラウンダーズからアメリカのベースボールへ/「女子どもの気晴らし」から「成人男性の競技」へ/合衆国という「想像の共同体」をまとめる文化的装置/歴史修正主義からの脱却
第4章 エンジョイ・ベースボールから「魂の野球」へ――戦前のトップエリート校・一高で起こった変化
戦前日本で野球はサブカルチャーだった/文化が生まれる場としての旧制高校/港区男子(的なもの)とエンジョイ・ベースボール/一高生のエリート意識と「籠城主義」/世紀末の武士道ブーム/バンカラとテニスと武道/横浜外人倶楽部戦のインパクト/「明るいニュース」を求めた新聞社/「選手制度」「対校試合」が引き起こした勝利至上主義/一高を揺るがした〈文化系〉対〈体育会系〉論争/自殺する煩悶青年たち/日本の教養主義の致命的欠陥
第5章 天狗倶楽部と野球害毒論争――早慶戦から甲子園野球の誕生へ
20世紀前半の日本野球史の展開/オリンピックと野球は関係ない? /バンカラ集団「天狗倶楽部」の文化性/正反対な一高野球部と天狗倶楽部/「日本冒険SF小説の祖」押川春浪の先駆性/安部磯雄、嘉納治五郎とオリンピズム/相克する「アマ」「プロ」のイズム/早稲田のアメリカ遠征と「早慶戦中止」事件/一高校長・新渡戸稲造から始まった「野球害毒論争」/現代野球の問題に通じる斬新な批判/東京朝日新聞VS.天狗倶楽部の論戦の帰趨/大阪朝日新聞が甲子園野球を始めた思惑/甲子園野球はなぜ不自由なのか
第6章 「帝国主義」と日本野球――大正~昭和の論点
大正~昭和にまたがる野球文化の発展/近代的衛生観念と小林一三の構想/日本プロ野球の3つのベクトル――「日本運動協会」「天勝野球団」「大毎野球団」/「無縁」の原理/新天地・満洲のコスモポリタン性/東アジア野球の空間的広がり/日本運動協会から「プロ野球」へ/『大正野球娘。』と大正の女子野球/野球統制令と戦時の野球
第7章 戦後日本野球とさまよえる男性性――武士道とスポーツジャーナリズムから
男の子の憧れは軍人から野球選手へ/『星野君の二塁打』と軍隊文化の転移/武士道から抜け落ちた「主君押込」/消えた日米の女子プロ野球/スポーツジャーナリズム「不在」のなかに生まれたNumber文学/鈴木忠平『嫌われた監督』と山際淳司『ルーキー』 /亀梨和也と野球YouTuberが変えたシーン
第8章 野球とスポーツの価値論
「甲子園廃止論」の先へ/「甲子園の土」をメルカリに出すのは健全である/「重いバット」が助長する負荷と格差/「青春の燃焼」から「土台作り」と「再創造」へ/押川春浪のライフスタイルスポーツ的身体観/カウンターカルチャーとしての運動/「体育」という土台、「スポーツ」という応用/〈体育会系〉における「優生学」という落とし穴/「座りっぱなしの娯楽」と消費社会という問題/「私を野球に連れてって」と「VICTORY SONG」/インクルーシブなライフスタイルスポーツとして
おわりに
◎著者プロフィール◎
中野慧(なかの・けい)
編集者・ライター。1986年、神奈川県生まれ。一橋大学社会学部社会学科卒、同大学院社会学研究科修士課程中退。批評誌「PLANETS」編集部、株式会社LIG広報を経て独立。構成を担当した主な本に『共感という病』(永井陽右著、かんき出版)、『現代アニメ「超」講義』(石岡良治著、PLANETS)、『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』(宇野常寛著、朝日新聞出版)など。現在は「Tarzan」などで身体・文化に関する取材を行いつつ、企業PRにも携わる。クラブチームExodus Baseball Club代表。
- Print length368 pages
- LanguageJapanese
- Publisher光文社
- Publication dateMarch 18, 2025
- Dimensions0.63 x 4.17 x 6.77 inches
- ISBN-104334105874
- ISBN-13978-4334105877
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日本野球の「あるある」はどのようにしてつくられてきたのか?
Product description
About the Author
Product Details
- Publisher : 光文社
- Publication date : March 18, 2025
- Language : Japanese
- Print length : 368 pages
- ISBN-10 : 4334105874
- ISBN-13 : 978-4334105877
- Item Weight : 230 g
- Dimensions : 0.63 x 4.17 x 6.77 inches
- Amazon Bestseller: #60,863 in Japanese Books (See Top 100 in Japanese Books)
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- 5 out of 5 stars
スポーツを、通じて社会をみる力作
Reviewed in Japan on February 1, 2026著者は高校大学そして現在も野球と言うスポーツの実際を知り尽くしており言説に説得力と重みのある社会学的野球論である。学校に於いて運動部に所属したことなき私にはよく分からないこと多き世界ながら。米国経営大学院留学から勉学もスポーツも二刀流の友人もおり、日本でも文化系とか、理科系とか言う分け方が早くなくなる事を祈る私である。著者は大変な勉強家であり今後の著作も読んでみたいと考えている。
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野球史を社会学的に顧みる
Reviewed in Japan on March 20, 2025タイトルからして、野球の解説書かしら・・と思ったのだが、野球を通して、明治から現代にわたるまでの日本のスポーツ文化史を様々な登場人物を通して解説している本である。
「女子マネージャー」や「甲子園の高校野球」についての著者の論点には共鳴できることが多かった。
「女性が野球をすること」が当たり前になってきているし、陸上のリレーのように男女混合の野球チーム
が登場するのも必然と言えるだろう。
誰もがスポーツを「する・みる・ささえる」ことができる時代の今、野球史を社会学的に顧みる機会としてお勧めな一冊である。
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タイトルにふさわしい良書、野球狂は一読の価値あり
Reviewed in Japan on June 8, 202650代の高校球児で、体育大卒ですが、これまで丁寧に野球についてオタク的に書かれた良書はありません。
今まで「野球道として輸入された」程度の知識が恥ずかしい限りです。著者自身も野球を楽しんでいるとのこと、この本も楽しみながら取材し書かれたことが想像できます。野球狂のオタクは一読の価値ありで五つ星です。余談ですが、どんな本でも悪いレビューを書く人がいるのだということも学びでした。エンジョイベースボールでいいのですがね。この年になると。
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厳しい上下関係を生んだ歴史
Reviewed in Japan on September 21, 2025高校野球で上級生と下級生のあいだの事件が起きたので
参考にしようとこの本を購入し、読みました。
この本の著者は実際に大学まで野球部だったそうで、
東都大学野球連盟の所属校だ。
なので大変野球に詳しく、
神宮外苑再開発からアメリカでの野球創成期、日本での野球の歴史
と、とにかくいろいろな面から考察されている。
女子マネージャーが甲子園で試合前のノックに参加するのを止められたのは、
当時おかしいと思った。普段毎日学校のグラウンドで
これを日々普通にやっているのだろうからです。
この本で驚いたのは、プロの木のバットより重い金属バットを、
全国の部員に義務付けている、ということです。
高校野球にも改善点がいろいろあるのだと思う。
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体育会系とは何ぞやがわかる本
Reviewed in Japan on April 19, 2025野球部出身として、耳の痛い話や新たな知見も得られ、参考になりました。
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野球ファンは必読書。文化系、体育会系も必読書
Reviewed in Japan on April 5, 2025さまざまな論点をコンパクトにまとめた新書にまとめた一冊。明治の野球受容から現代の高校野球まで手広く論じている本。
「文化系のための」と銘打っているが、文化系から見た野球批判などではなく、人文的知見を駆使した野球史解剖というのが近いと感じた。
1章は現代からよく批判される野球・体育会系論に応答し、2章では、一般的な野球部・体育会系系に対する誤解や偏見を解こうと試みる。
著者は野球に対する愛もあるが、その上で野球が「体育会系」の頂点に位置することから、その象徴として野球を扱おうとしている。後半で論じられるが、体育会系への嫌悪感は、網野善彦のいうところの「無縁」のある種の特権性と現代の集団主義に適した風土がミックスされて、ハイブリッドな「いいところ取り」な存在になってしまったから起きる反発であると見ている。その「いいところ取り」の紆余曲折や歴史を紐解こうとしているのが本書の大きな意義であると感じる。
また、細やかな論点にも目配りしていて、著者の考えでは、スポーツには「みる・する・ささえる」の三要素が必要だが、日本はその構造が歪であることも指摘する。代表的な例としては明治神宮外苑再開発問題である。主に環境保護の観点から外苑再開発は注目され、閑静な自然環境と歴史ある球場を建て替えるべきかという批判に対して、宗教法人である明治神宮の経済的理由と外苑の維持費の捻出のためには再開発を推進すべきだという対立が起きた。都知事選などでも注目を浴びたこの問題は、明治神宮外苑が「するスポーツ」の場として、戦後の貢献があったことを多くの人は見過ごしていた。もちろん、大学野球の聖地として活用され、アマチュアスポーツにとって重要であることはスポーツファンには周知の事実だが、実際はもっと手広く気軽にスポーツを楽しめる場であった外苑が再開発により、軸足を「みるスポーツ」に大きく寄せることになるという指摘は慧眼である。
この本は多くの分量を、野球史に割いている。簡潔な説明はされているが、近代史の知識がある方がより楽しく読めるであろう。例えば、かつての日本は全体主義で没個性的で主体性のない集団だったというイメージがあるが、近世では暗君を「主君押し込め」するクーデター的な論理もあり、それが二二六事件や日比谷焼き打ち事件などにも現れる、一辺倒な集団主義ではない個人主義的気質も持ち合わせていた。バラバラでわがままなところがあった日本人にとって、野球のような組織的スポーツは戦後の価値観との相性が良かった。現代で「昭和」というワードが本当の昭和を表してなく、若者からは誤解があるように、また我々も戦前や明治に大きな誤解をしていることを気づかせてくれる。
ネットでたびたび話題になる「星野くんの二塁打」の読解や反応が当初の作者の意図と当時の解釈と、今の反応が真逆になってしまう点は目から鱗であった。
近代史の興味や体育会系への嫌悪感ある「文化系」はもちろん、スポーツをみる側、する側の人や、ある種の特権性を持っていた「体育会系」もスポーツのくくりで、今の社会や近代史と接続し、関心を広げることができる新書らしい、新書だと感じた。野球を通じて社会を見ようとする姿勢にとても好感を持った。
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私には期待はずれだった
Reviewed in Japan on August 30, 2025なぜ少年野球から高校野球の監督は推し並べて太っていて柄が悪く、暴力的な指導をするのか。なぜ他のスポーツの応援には行かないのに野球の試合には応援に行かされるのか。(吹奏楽部だった私は炎天下、野球の応援に行かされた。木管楽器など楽器が直射日光に当たるのは本当にマズイので勘弁してほしい。甲子園で演奏したのでそれなりの思い出はできたが。)なぜ野球部の生徒はそれほど強いチームでもないのに野球部と言うだけでカーストの上位にいると思っているのか。なぜ野球部では広陵高校に代表されるような上級生から下級生への暴力が蔓延しているのか。なぜ我々は頼んでもいないのに、毎日毎日大谷さんの試合を見させられるのか。
そんな私の疑問には何一つこの本は答えてくれなかった。
日本における野球の歴史の本。豊富な知識で解説してあり、それなりには楽しめたが。
テレビを見て応援するだけでなく、実際にスポーツで体を動かして楽しみましょう、と言うのがこの本の主張。でも野球だけは、なんかやりたくないな。体に良さそうじゃないし。
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野球部出身者は一読してもいいかも
Reviewed in Japan on June 6, 2025私も野球部出身者で、読んでいて笑ってしまうことが多々ありました。根性主義、厳しい上下関係、仲間を囲う集団主義、ある意味宗教みたいなもんですが、自分の人生の根っこの部分でもあるので、全否定はできませんでした。第三者的に傍観して読むと面白いですね。
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