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ルーンの魔法のことば―妖精の国のルーン文字
今回、この『ルーンの魔法のことば』に出会い、その理由がはっきりしました。ひとつの文字に、意味やメッセージがあるだけでなく、かぎりなく豊かな物語が広がっているのです。もちろん、わたしたちが普段使う漢字にも意味があります。しかし、形が複雑なものも多く(読めても書けない漢字はどれほどあることか! )、数も膨大です。ひとつひとつを愛でるひまなく、日常的に記号として使ってしまっている気がします。
そういう意味でも、直線的でシンプルな、しかもたったの24しかないルーン文字は、自然のままの形を保ち、そのものだけでメッセージをたずさえるという、文字の原点を思い出させてくれます。日本人が昔から信仰する「言霊」を、このような形で再認識するのも、なかなか興味深いことでした。
また、この本の新しくてユニークな点は、ルーン文字とケルトの妖精を結びつけたことでしょう。ルーン文字というと、ヴァイキングやオーディンなど、北欧関係がまず頭に浮かびます。ですから、ルーンがもともと妖精の文字であり、それが人間の世界にわたり、神話や昔話となって伝わったという説はひじょうに刺激的でした。残念ながら、わたしは妖精の国を訪れたことがないため、この本がノンフィクションなのか、フィクションなのかはわかりません。(それをいうなら、北欧神話の最高神オーディンがルーン文字を獲得した話だって、ほんとうかうそか、だれも知りませんよね)?
けれど、妖精を見る眼、感じる心をもつものでなければ、ここまで詳細に語ることはできないでしょう。序文でフラウドが、バークのことを「頭脳と心がかんぺきに調和している」と賞賛していました。たしかに、学者としての知識と、妖精を愛し尊敬する気持ちが、いたるところにあらわれています。そんな彼が熱心に眼をこらし耳をすましたすえに得た物語が心に響かないわけがありません。
「現代を代表する妖精画家」とうたわれるフラウドにしても同様です。妖精の助けなくして、愛らしさと奇怪さをそなえ、圧倒的な存在感をもつ妖精たちを、これほどリアルに描けたでしょうか。
ルーン文字の意味を知り、その先の物語を読み、視覚的にも味わうことができて、しかも、妖精と交流する方法までしっかりわかる、なんておいしい本なのでしょう。ぜひ、ルーン文字とも妖精とも仲良くなってください。
でも日本とケルトの妖精の世界は遠い? いえいえ、地上の物理的な距離は関係ありません。山岸凉子の『妖精王』では、北海道とケルトの妖精の世界がつながりました。あなたの心づもりさえ整えば、いますぐにでも、眼の前に妖精の国への扉はあらわれるはずです。
あなたはどのルーンと旅に出ますか?
(本書「訳者あとがき」より)
【目次】
序文
まえがき
はじめに
妖精の国のルーン文字について基本的なこと
ルーン文字――想像力をつかさどる言語
ルーン文字の起源――枝でできた妖精文字
妖精物語としてのルーン文字
土地と物語
妖精の国の扉と境界
ルーン文字を「語ること」
余白、芸術品、碑文
いざルーン文字の世界へ
ルーンの絵と物語
始まりのルーン/技術のルーン/防御のルーン/旅のルーン/幸運のルーン/富のルーン/交わりのルーン/記憶のルーン/予言のルーン/交換のルーン/移動のルーン/霊感のルーン/雄弁のルーン/とげのルーン/喜びのルーン/運命のルーン/到着のルーン/滋養のルーン/世話のルーン/領土のルーン/保存のルーン/喪失のルーン/歳月のルーン/出現のルーン
ルーン文字のアルファベット表
訳者あとがき
- Print length116 pages
- LanguageJapanese
- Publisher原書房
- Publication dateMarch 1, 2007
- ISBN-104562040688
- ISBN-13978-4562040681
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Product description
About the Author
数々の賞を受賞したイラストレーター、作者であり、妖精の権威。代表作に『フェアリー』(アラン・リーとの共作)、『レディ・コティントンの妖精の押し絵本』(モンティ・パイソンのテリー・ジョーンズとの共作)、『レディ・コティントンの妖精アルバム』、『妖精の神託』などがある。また、ジム・ヘンソンの映画『ダーク・クリスタル』、『ラビリンス 魔王の迷宮』で美術デザイナーをつとめた。イギリスのデヴォン州で、妻と息子とくらしている。
アリ・バーク(Ari Berk)
アーティスト・詩人、セントラル・ミシガン大学文学部教授。神話学、民俗学、ネイティブ・アメリカン研究、中世文学を教えている。これまで、ルーンの伝承、妖精物語、幽霊狩猟、風景と神話をはじめ、さまざまなテーマについての本がある。
訳者略歴
神戸万知(ごうど・まち)
1969年生まれ。白百合女子大大学院博士課程(児童文学専攻)を終えて、現在同大学児童文化研究センター研究員。ニューヨーク州立大スペイン語学科卒の知識を生かして、アメリカ児童文学のヒスパニック系作家・作品をはじめ、アメリカが生み出す多様な作品を研究・豊富な読書量と語学力の成果の一つが訳書『四月の野球』(理論社、1999)。ヒスパニック系アメリカ作家ギャリー・ソトの初めての日本語版である。ほかに、『妖精たちの物語』(共訳、原書房、2000)など。
Product Details
- Publisher : 原書房
- Publication date : March 1, 2007
- Language : Japanese
- Print length : 116 pages
- ISBN-10 : 4562040688
- ISBN-13 : 978-4562040681
- Item Weight : 322 g
- Amazon Bestseller: #1,129,504 in Japanese Books (See Top 100 in Japanese Books)
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Top reviews from Japan
- 4 out of 5 stars
日本語で読めるルーン書では最高峰
Reviewed in Japan on January 8, 2019日本では、ルーンと言うとすぐにオラクルや占いといったスピリチュアルな方向に行ってしまうので、単純に表意文字としての歴史や、文字に込められた伝承、文化的背景に興味を持っている人にとって、有象無象の占い師が適当に書き綴ったルーン本で、やれ愛だの恋だの、人生がどうなるこうなるなんていう必要のない情報ばかりに晒されてしまうのは苦痛だと思います。
Amazonで「ルーン」と検索しても、上位の検索に出てくるのは占いに纏わるものばかり。
何か良い物は無いかと探している時、イギリス人の友人が、本書の英語版を教えてくれました。
作者は、イラストレーター、作家として数々の著作を出版し、映画でも美術デザイナーを務めているブライアン・フラウドという方で、日本の妖怪における水木しげるさんのような、妖精界の権威です。
共著として、ミシガン大学の文学部教授であるアリ・パーク氏が名を連ねており、この二人が描き出したルーン文字の世界は、まさに探していたそれでした。
印象的なイラストと、その文字に隠された北欧の伝説や物語、そして、その文字が今の私たちに何を語りかけているかを、これでもかと深く掘り下げて説明しています。
単純に「Thorn(THURISAZ)には巨人やトゲという意味があって、そこからこんな風に解釈してみましょう」なんていう陳腐な占い本とは違い、トールキンの指輪物語でホビットやドワーフが使っていたあの文字が途轍もない力で躍動している感覚を覚えます。
FUTHARKの最初の文字であるFEHU(FEOH)を例えに出すなら、「この文字の力に頼りたいなら、泥や腐葉土で、腕にこのルーンを描くといい」と突き放すような、それでいてユーモアと慈愛に満ちた提言が書かれています。
こんなアドバイスをしてくるルーン本やルーン占い師がいるでしょうか?
ファンタジーや言語としてのルーンに興味があるなら、本書を読まずにそれを語るのは愚かだとすら感じました。
前述のThornがソーンなのかスリサズなのか、その読み方について作者は明言を避けています。
ルーン文字を何と呼ぶかではなく、その文字が読者にどう語りかけてくるかを感じてほしい、という観点で書かれているからだと思います。
日本において、いや世界を見回しても、現実と幻想(幻想ではないかもしれないが)の狭間で、ルーンという文字が如何に生き続けてきたのかということがここまで丁寧に描かれた書籍は無いと思います。
占いをやりたくて本書を手に取る人は、失敗したと思うでしょう。
でも、そういう方こそ立ち返って本書を読み直すべきです。
文字を選んで、そこから近い将来や吉凶の兆しを読み取ろうなどという幻想は捨てて、単純にルーンが語りかける小さな声を聞き逃さない感受性を磨くべきです。
こう書くと、冒頭のスピリチュアルな世界を否定したニュアンスの言葉と相反するようですが、エンデの「果てしない物語」でバスチアンがファンタージェンに入って行った時の興奮や、トールキンの「指輪物語」で、裂け谷に旅の仲間が集まった時のワクワク感、自分もすっかりその世界に引きずり込まれ、少年の多感な時代を夢見がちに生きてしまった私としては、本書はそういった意味でルーンの声が聞こえてくる本です。
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妖精とルーンの世界
Reviewed in Japan on February 1, 2014本書ではルーン文字を妖精の国の文字とし、全24文字が一文字ずつについてその伝説や物語、文字が持つ意味について語られています。
普通のルーン文字解説書というよりは一冊の物語に近いといった感じで、ページ量も多くないため長めの童話を読むようにかなりすんなり読めるかと思います。
内容が興味深い事ももちろんですが、ブライアン・フラウドの描くイラストが不気味可愛くて非常に素晴らしい。内容とマッチしており独特の世界観と読後感が味わえ、文とイラストで一つの作品として完成していると断言出来る一冊でしょう。
ルーン文字の入門書として大人にも子供にもおすすめ出来ます。
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絵本だね
Reviewed in Japan on May 27, 2017うーん。ルーンの背景にある絵本を読む感じ。
ルーンを体で表現してるイラストは面白かった。
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魔法の絵本だね
Reviewed in Japan on March 21, 2016中身は難しいけど、絵本としてみるなら、すごく良いです。
理解するのは、ちょっと難しいなぁ。
なんども読むと、だんだん、じわじわと心に響いてきますよ〜。
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奥深い文化
Reviewed in Japan on February 14, 2011ルーン文字の解説本です。
この神秘的な古代文字はどのような意味を持ち、どのような力があるのか?
ブライアンとアリは、二人の想像力をフルに発揮して、ルーン文字の世界に読者を連れて行ってくれます。
私たちとは別の文化の文字なのに、伝説なのに、惹かれていくのはその背後にある奥深い文化故でしょうね。
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妖精の世界にいざなわれます
Reviewed in Japan on May 30, 2011最初、イラストを見たとき、ちょっとこわいと感じたのですが、
読み進めるうちに、かえってそのこわさ?が自然と思えてきました。
異界なのだから、かわいいかわいい絵より、想像の範囲を超えるようなこわさが
(こわさという言葉は間違っているかもしれませんが)漂っているほうが
自然だと思えてきたのですね。
ひととき現実を離れ、ホッとしたいときに開きたい本です。
そういうときにこそ、妖精の物語が近寄ってきてくれそうです。
想像力をかきたてられます。
欲を言えば、ルーンに興味があって購入したので、文字そのものの読み方や
意味がもう少しあるとよかったと。
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